親が「勉強して、いい会社に入る」という道を歩んできたとしたら、親にはそれ以外の引き出しがないわけで、自分の経験則に従わせることしかできません。自分が経験したこともないことなど、とてもではないですが、怖くてわが子にすすめられません。

世の中には多様な働き方と
お金の稼ぎ方が存在する

 かくいう私も、親や周りの大人たちが言うがまま、真面目に勉強して大学に入り、世間で大手企業と呼ばれる会社に入社しました。しかし、そこで働いているうちに、だんだん「おや?」と思うようになりました。

「これだけが本当に正解なのだろうか」と疑問がわいてきたのです。

 就職するまでの私は、大きな会社に所属して懸命に働くことが、最も確実に、安定的にお金を稼ぐ方法だと信じていました。ところが、社会に出てみると、世の中には多様な働き方があり、しかも自分たちよりずっと稼いでいる人がいることがわかりました。

 例えば、自分で事業を立ち上げて働く人がたくさんいました。フリーランスとして自由に仕事をしている人もいました。中には、四六時中ふらふらしていて「いったい何をしているのだろう」と思うような人もいました。そういう人たちの中には、短期的に自分の生涯賃金の何倍も稼いでいる人もいました。

 もちろん、そういう人たちが一定数いることはなんとなく知っていましたが、親の事業や資産を継いだ人とか、とてつもない才能や運に恵まれた人など、ごく限られた人にだけ許された特別な働き方だと思っていました。

 ところが、実際にそういう人たちと関わるようになると、自分とさほど違わない経歴や能力の人もたくさんいることに気づきました。そして「これなら自分にもできるかもしれない」「自分も挑戦してみたい」と思うようになりました。どうすれば自分にできるのか、秘密を懸命に探りました。実際に独立している人たちの話を聞いたり、本を読んだりして研究を重ねました。