その後も最終催告状や督促状が届いてもなお放置を続けた結果、最終的に差し押さえを予告する封筒が届いたのです。

 封筒には「差押予告通知書」と記載されており、至急開封と書かれたスタンプも押されていました。卓さんはさすがにまずいのでは…と孝江さんに相談しようとしましたが、恐怖心から中身をしっかりと確認せずにさらに放置したのです。

 その結果、ついに財産の差し押さえが行われたのです。卓さんは生前父からもらっていた小遣いを少しずつ預貯金口座にためていましたが、差し押さえられてしまいました。仕方なく卓さんは、孝江さんに相談し区役所へ。分納の相談を行いましたが母親の年金だけでは分納できないため、早朝に新聞配達のアルバイトに励んでいます。

「人付き合いがない仕事なら何とかできそうですが、年齢も重ねてしまい体力に不安があります。こんなことになって母に申し訳ないです」

年金を滞納したら
どのように督促が行われるか

 実は、年金未払いへの督促状は本人のみでなく連帯納付義務者である家族(配偶者および世帯主)がいればその家族に届きます。今回のケースでは父の死後、卓さんが世帯主となっていたため孝江さんへの督促は行われていませんでした。

 一般的な差し押さえは勝訴の確定判決などの債務名義がなければ手続きは行われません。しかし、国民年金保険料の徴収に判決は不要なため、赤い封筒などの警告を見逃すと差し押さえに発展します。無視を続けても事態は悪化の一途をたどるため注意が必要です。

 そこで、年金の督促が行われた際の注意点や解決方法について社会保険労務士の資格もある古田雄哉弁護士に聞きました。

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――年金を滞納するとどのような書類が届くのでしょうか。具体的に教えてください。

古田弁護士:保険料を滞納すると、まず催告のはがきが届き、また、電話で催告をされることもあります。それでも納付がないと、封書による「特別催告状」が届きます。

特別催告状は通常3回ほど送られ、信号機と同じように封筒の色が青→黄→赤(ピンク)と変わって、警告が強まっていきます。中身はいずれも特別催告状ですが、段階が進むと、最終的には差し押さえに進みます。一般的な流れは以下の通りといわれています。