差し押さえに至るまでに6段階
古田弁護士:差押予告通知書も無視すると、実際に差し押さえが執行されます。差し押さえられるのは預貯金口座に限らず、給与口座や不動産なども差し押さえ対象です。
――どうしても国民年金保険料を支払えない場合はどうすればよいでしょうか。
古田 雄哉(ふるた・ゆうや)/One Asia法律事務所 大阪オフィス パートナー弁護士。社会保険労務士。 立命館大学法科大学院修了後、兵庫県内の法律事務所、同事務所の支店長職を経て現職。交通事故や労災等の損害賠償訴訟、および中小企業の労務管理・紛争予防や国際相続を専門とする。弁護士と社労士のダブルライセンスを活かし、労働環境の整備から訴訟対応までワンストップで支援。共著に『南アジアの法律実務』『問題不動産 対応マニュアル』などがある。
古田弁護士:まずは放置せずに年金事務所へ相談すべきかと思われます。国民年金保険料が支払えない場合には、所得等にもよりますが、免除制度が利用できる可能性もあります。
これが利用できるかの審査は前年の所得を基に行われます。免除期間は将来の年金額に反映されます(全額免除でも受給資格期間にはカウントされます)。
猶予制度もありますが、年齢制限があり20歳以上50歳未満で前年の所得が一定額以下の方に限られます。学生の場合は学生納付特例の利用も検討できます(※)。
納付免除や猶予制度の利用が難しい場合、滞納分については年金事務所に相談し、分割納付(分納)を認めてもらえることがあります。ただし対象は滞納分のみで、金額や期間は年金事務所との相談で決まり、できるだけ早く完済できる計画を求められます。
希望通りの金額にできるとは限らない点に注意が必要です。また、差し押さえの予告がきている段階では年金事務所側でも滞納者の資産をある程度把握しているでしょうから、分納が認めてもらえるかは不透明といわざるを得ない点にも注意が必要です。
自己破産しても
国民年金の支払い義務は残る
――滞納している国民年金保険料がある場合は自己破産をすれば免れられますか。
古田弁護士:国民年金保険料は非免責債権に該当するため、自己破産をして免責決定を受けても、支払い義務が消えません。税金(所得税・住民税など)や健康保険料と同じ扱いです。滞納から免れようとして自己破産を行っても意味はありません。
破産後も未納分の請求は続きますし、前述の督促・差し押さえの手続きも免責とは無関係に進みます。ただし、所得がなくなった・減少したという事情は免除・猶予制度の申請理由として正当に使えます。自己破産後であっても年金事務所に相談し、免除申請をすることは可能です。
やむを得ない事情に対する救済策はありますから、とにかく放置をするのではなく、早めの対策が重要です。
※プライバシー保護のため、
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