ドライバーズカーとしても一級品。
運転が楽しい

 ハンドリングもいい。大型ミニバンながら、見事にドライバーズカーとして満足できるレベルに仕上げられている。進化したe-4ORCEが、クルマの向きと姿勢を自在にコントロールし、高い旋回性能を実現。後輪の駆動力を増やすことで前輪のコーナリングフォースを高めている。コーナリング時には、インテリジェントダイナミックサスペンションが、外側の減衰を上げて、車体が傾かないように絶妙に調節。狙ったラインをトレースしやすくしてくれる。

 走行モードは、6種から選択可能。走りのシーンやドライバーの好みに合わせてセレクトできる。各モードは、パワートレーンとステアリングに加え、e-4ORCEの設定まで細かく調整。それぞれ最適な乗り味を味わえるようになっている。中でも乗り心地に特化して快適性を極めたCOMFORTモードは完成度が高い。加速や減速でSTANDARDモードよりも穏やかな設定になるようにし、ステアリングは軽い力で回せる。減衰力も下げて、e-4ORCEも発進時にリアに駆動力をかけてノーズが浮き上がらないようにしている。競合車には電子制御サスペンションが未設定だが、エルグランドの場合はSTANDARDよりもさらに乗り心地をよくできる。

 走りは極めてなめらかで力強く、3列目まですべての席で高い快適性が実感できるようになっている。広々とした車内空間は、シックな雰囲気でいかにも高級ミニバンらしい。運転席に収まると、眼前には横長のディスプレイが並ぶほか、インパネは新感覚のウッド調の樹脂仕上げ。その中央にはタッチパネルふうに走行関連のスイッチが並んでいる。

 助手席と2列目のシートは非常に凝った作り。背もたれはリクライニングだけでなく中折れ機構も備え、好みのポジションを得やすいようになっている。足元にはオットマンも付く。3列目は、居住空間もシートのサイズも十分に確保されており、日常的に使ってもストレスを感じさせない空間である。

 前述のとおり静粛性は超ハイレベル。エンジン音は、よほど回さなければ3気筒を感じさせない。市街地を普通に走る分にはほとんど気になる場面はないだろう。

 それにしても新型の走りは本当に滑らかで、どこにもカドがない。運転していても意のままに操れて楽しく、それでいて同乗者も快適と、相反することを見事に両立している。エルグランドは、ドライバー自身にそこはかとなく“運転手”を感じさせる競合車とはだいぶ異なる世界観の持ち主である。快適な大空間パーソナルカーとして期待が高まる。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/横田康志朗)

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