幼い頃は何もできなかった子どもが、やがて自分で何でもできるようになると、親が子どもに手出し口出しする機会は減っていきます。しかし、子どもがどんな人生を生きるかという課題は、子どものものであるにもかかわらず、多くの親は子どもの人生にレールを敷くのは親の役目だと考え、口を出してしまいます。

 受験についていえば、子どもが自力で十分な情報を集められない場合、親が協力することはできますが、そもそも子どもが受験を望んでいないかもしれません。そうであれば、親がしているのは協力ではなく、自分の希望を押し付けていることでしかありません。

 親は子どもが自立するために「人生の準備」をしているといいたいでしょうが、通常、親の価値観から大きく外れるような選択肢を示すことはないので、子どもが親の敷いたレールに乗れば、子どもは「自立させられた」のであり、自立したことにはなりません。

子どもの落ち込みが激しいとき
その本心に隠れているのは?

 学校での勉強、受験という課題に取り組む子どもが、いつもよい結果を出せるとは限りません。思っていたような結果を出せず、子どもが落ち込んでいるのを見た時、周りの大人は何とか力になりたいと思うでしょうが、本来的には自分で解決するしかありません。不用意な言葉をかけてしまうと、かえって立ち直りを遅らせることになります。

 親が子どもに口出しをしてしまうのは、子どもが自力では苦境から抜け出すことができないと思っているからです。親に心配してもらうと嬉しいと思う子どもはいますが、干渉されることを嫌う子どももいます。

 苦境と書きましたが、試験でよい成績が取れないというようなことは、本当は苦境でも何でもなく、次の機会に頑張ればいいだけのことです。それにもかかわらず、子どもが親の目に余るほどつらそうにしていれば、そのことには目的があります。

 その目的というのは、親を諦めさせることです。子どもはそう思わなければならないほど、勇気をくじかれているのです。子どもの勇気をくじかないためには、どうすればいいか考えておかなければなりません。親から注目してもらえると思う子どももいます。