「ストレスが溜まると、つい甘いものに手が伸びてしまう」――その原因は、意志の弱さではなく、脳と食のつながりにあるのかもしれない。睡眠、集中力、ストレス、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネスを日本で最も広めたベストセラー『世界のエリートがやっている 最高の休息法』。その内容に最新研究と音源を加えた『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』が刊行された。本書には、脳の疲れをやわらげる食事のとり方も書かれている。今回は、米国で30年以上診療を続ける現役の医師、著者の久賀谷亮氏のインタビューを掲載する。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)

【精神科医が解説】ストレスが減る習慣・ベスト1Photo: Adobe Stock

地中海式の食事が脳のストレスを和らげる

――休息というと睡眠やリラックスを思い浮かべますが、日々の食事も脳の疲労に関係しているのでしょうか?

久賀谷亮氏(以下、久賀谷):大いに関係しています。疲労感というのは「脳の現象」ですから、脳の疲労回復に役立つ食事を摂ることは非常に大切です。たとえば、「地中海地方の食生活」がストレスや心臓に良いというデータがあります。

――地中海地方の食事というと、オリーブオイルや魚などですか?

久賀谷:ええ。具体的に毎日摂取したほうがいいものとして、野菜、果物、ナッツ類、豆類、イモ類、全粒穀物、魚、エキストラ・バージン・オリーブオイル、チーズ、ヨーグルトなどが挙げられます。逆に、赤身肉の摂取は極力控えたほうがよいと言われています。また、果物や緑茶に含まれるフラボノイドや、魚油などに含まれるオメガ3脂肪酸も、脳にプラスの影響が期待できます。

腸内環境を整えると脳も整う

――近年「腸活」も話題ですよね。腸と脳の関係はあるのでしょうか。

久賀谷:腸内細菌を整えることは脳にも良いとされていて、発酵食品なども効果的です。

腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれる密接な関係にあり、腸内環境が乱れると脳の機能にも影響が出ることがわかっています。一方で、避けたほうがいいことがはっきりしているのは「肥満」です。肥満はうつ病の温床であり、同時にうつ病の結果でもあることが知られています。

マインドフルネスで衝動食いを防ぐ

――ストレスが溜まると、つい甘いものを食べすぎたり、暴飲暴食してしまいます。

久賀谷:衝動食いのような感情的な食行動を減らすことが大切です。

ここでもマインドフルネスが役立ちます。「食べたいな」という感覚が生まれたら、そこに注意を向けるようにしてみてください。マインドフルネスや認知療法の組み合わせで、実際に食行動を改善できるという研究もあります。

20以上の研究のメタ解析によると、80%以上の研究で過食や感情的な食行動が改善したという結果も出ています。食事内容を見直すとともに、マインドフルネスで衝動をコントロールすることが、脳の疲労を防いでくれます。