スティーブン・ジョンソン Gemini Notebook共同開発者Photo by Koji Yuasa

AIの開発は減速させるべきか。AI時代の教育はどう変わるのか。米グーグルのAIリサーチツール「Gemini Notebook(旧NotebookLM)」の共同開発者でベストセラー作家のスティーブン・ジョンソン氏にダイヤモンド編集部は単独取材した。インタビューの後編では、AI時代の学習法や知的生産のあり方、本人の活用法などについて語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

※インタビューの前編はこちら。

解明・適応すべきことは山ほどある
AI開発ペースの鈍化は歓迎

――AIの開発を巡り、米OpenAIや米アンソロピックの創業者などは「AI開発を減速させるべきだ」と提唱しています。こうした議論についてどう考えますか。

 国家レベルやグローバルなAI政策がどうあるべきかという大きな問いについては、私なりの考えはありますが、ここでコメントする立場ではないかもしれません。ただ、言えることは、現在のAIの到達点においてさえ、私たちが解明・適応すべきことが山ほどあるということです。これらの技術を最高の形で機能させるために、プロダクト面や社会面で解決すべき根本的な課題がたくさんあります。

 もしも開発ペースが少し鈍化することがあるならば、私は歓迎するでしょう。解明したいことがあまりにも多いからです。

 例えば、私は、「教育現場にAIを持ち込む最善の方法」について深く考えており、大きな関心事です。また現在、Gemini Notebookに導入予定の執筆関連機能に集中的に取り組んでおり、「代わりに文章を書いてしまうのではなく、ユーザーの執筆能力を高めるような方法」を模索しています。

 現在の技術水準をいかに使いこなすかをじっくり考える時間が、例えば5年間ほどあれば素晴らしいと思います。しかし、現実にはそのような猶予はなく、技術はさらに進歩し続けるでしょう。

 それでも、Google LabsやNotebookチームの私たちは「人々の代わりに仕事をするのではなく、人々の役に立ち、人々がより良い仕事を行えるためのツールをどう作るか」だけに集中しています。それが私たちの最優先事項です。