「胃薬を飲んでもマッサージに行っても、不調がぶり返してしまう」――その原因は、身体ではなく脳にあるのかもしれない。米国在住の精神科医・久賀谷亮氏の著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』には、身体の緊張をほぐす「ブリージングスペース」の3ステップも書かれている。その一部をご紹介しよう。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)

【精神科医が解説】ストレスが減っていく方法・ベスト1Photo: Adobe Stock

身体の不調を解消する「脳の休息」

 職場の人間関係がうまくいかない、仕事のプレッシャーが重くのしかかっている。そんなストレスを抱え込んでいると、いつの間にか胃が痛くなったり、慢性的な肩こりや全身のだるさに悩まされたりすることがある。 実は、こうした身体の不調を根本から解消するためには、マッサージや胃薬よりも「脳の休息」が効果的な場合がある。

身体の疲労も、癒やしのメインステージは「脳」

 米国で活躍する精神科医、久賀谷亮氏の著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』では、心の疲れだけでなく、身体の疲労や不調も「脳現象」として捉えるアプローチが紹介されている。

 ストレスは脳内の現象ですが、慢性化すると身体にさまざまな影響を及ぼします。じんわりとした身体のだるさや肩こりのような症状から、激しい腹痛、胃腸の炎症まで、ストレスによる身体への影響に気づき、それを脳(前頭葉と扁桃体の関係性)から改善していく方法があります。――『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』p.38

 私たちが強いストレスを受けると、脳内では本能や感情を司る「扁桃体」が過剰に反応し、緊急モードを発動させる。通常は理性を司る「前頭葉」がそれを抑え込むが、ストレスが慢性化するとそのバランスが崩れ、自律神経やホルモンを介して身体に不調(痛みや緊張)として現れるのだ。

ストレスの捉え方を変え、身体の緊張をほぐす

 このようなストレス由来の身体の緊張をほぐすのに有効なのが、「ブリージングスペース」というマインドフルネスの手法だ。そのやり方を本書から紹介したい。これは、大きく3つのステップで行う。
 まず1つ目は、「ストレスの影響に気づく」こと。椅子に座って目を閉じ、ストレスの原因になっていることを「私は◯◯について悩んでいる」と1つの文にして心の中で唱える。そのとき、身体のどこが緊張したか(肩がこわばる、胃が重くなるなど)を客観的に観察する。
 2つ目は、「呼吸に意識を集中させる」こと。過剰に反応している扁桃体を鎮めるために、呼吸のたびに「1、2…」と数えながら、意識を「いまここ」に留める。
 そして3つ目が、「意識を身体全体に広げる」ことだ。あたかも身体全体が呼吸しているようにイメージし、息を吸い込むときに、先ほど緊張を感じた身体の部位(肩や胃など)に空気を吹き込むようにイメージする。呼吸するにつれて、その部分が柔らかく開いていくのを感じるのだ。

 このメソッドを続けることで、扁桃体と前頭葉のバランスが整い、「ストレスの捉え方」そのものが変わっていくということである。原因不明の体調不良や慢性的な緊張に悩んでいる方は、1日数分から「ブリージングスペース」を試してみてはいかがだろうか。