「部下のモチベーションを上げるのが上司の仕事だ」。そう考えている管理職は少なくありません。もちろん、それらが悪いわけではありません。しかし、それ自体が上司の目的になってしまうと、組織はおかしな方向へ進みます。では、組織に本当に必要のない「ダメ上司」とは、どんな人なのでしょうか。この連載では、書籍『リーダーの仮面』をベースに、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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組織に必要のない「ダメ上司」
「部下のモチベーションを上げるのが上司の仕事だ」
そう考えている管理職は少なくありません。
部下の話を聞く。チームの雰囲気をよくする。みんなが楽しく働ける環境をつくる。
もちろん、それらが悪いわけではありません。しかし、それ自体が上司の目的になってしまうと、組織はおかしな方向へ進みます。
では、組織に本当に必要のない「ダメ上司」とは、どんな人なのでしょうか。
ワースト1:「仲良しチーム」をつくろうとする人
『リーダーの仮面』で私は、次のように書きました。
マンモスを狩った集団は、まさに同じ釜のメシを食べることになり、結果的に仲良くなったことでしょう。
肉が先にあり、仲間意識は、おまけでついてきます。
――『リーダーの仮面』より
ここには、非常に重要な「順番」があります。
仲がいいから、成果が出るのではありません。
同じ目標に向かって行動し、成果を出した結果として、仲間意識が生まれるのです。
たとえば、難しいプロジェクトをチームで乗り越えたとき、「あの仕事は大変だったけど、みんなでやり切ったよね」と一体感が生まれることがあります。
それこそが、本来の結束です。
先に仲良くなろうとする必要はありません。
「モチベーション」を管理しようとしない
つまり、疑問を持たずにマンモスと対峙できたのです。
いまは、将来の不確定要素があまりにも多すぎて、組織での成長を信じられなくなっています。
日本中、全員が迷いながら仕事をしています。
私たちの元には、「組織の利益より社員のモチベーションを上げることも優先すべきだ」などの考えを教えられてきて、迷子になっている経営者がたくさんやってきます。
そうやってモチベーションマネジメントを推奨しているコンサルティング会社が多い。しかし、それによって立ち行かなくなって、私たち識学に駆け込んできています。
――『リーダーの仮面』より
「最近、部下のやる気がない」
「もっと楽しく働いてほしい」
「チームの雰囲気をよくしよう」
そう考え始めると、リーダーの仕事が「ご機嫌取り」に変わってしまいます。
しかし、モチベーションは本人の内面にあるものです。
昨日はやる気があっても、今日はないかもしれない。
上司が一人ひとりの気持ちをコントロールしようとしても、限界があります。
だからこそ、リーダーが見るべきなのは「気持ち」ではなく「行動」です。
何をすべきなのか。
どんな成果を求められているのか。
何を達成すれば評価されるのか。
それを明確にすることが重要です。
上司の仕事は「マンモス」を示すこと
利益を最大化させ、全員の取り分を増やします。
そして、現場レベルでメンバーをマンモスに向かわせるのが、リーダーの役割なのです。
――『リーダーの仮面』より
リーダーの仕事は、部下を自分に向かせることではありません。
部下同士を向き合わせることでもありません。
全員を「マンモス」に向かせることです。
つまり、組織が達成すべき目標に向かわせる。
そのために、役割を決め、目標を示し、結果を評価する。
チーム全員が同じ方向を向いて成果を出せば、その結果として「このチームで働けてよかった」という感情が生まれます。
仲間意識は、リーダーが直接つくるものではありません。
成果を追った後に生まれるものなのです。
「仲良しチーム」は必要ない
組織に必要のない「ダメ上司」。
その特徴は、「仲良しチーム」をつくることを目的にしてしまうことです。
飲み会を増やす。
雑談を増やす。
部下のモチベーションを気にする。
それよりも、リーダーには先にやるべきことがあります。
全員に「狩るべきマンモス」を示し、そこに向かって行動させることです。
成果が出れば、その後に結束感はついてきます。
「仲良しだから成果が出る」のではなく、「成果を出したから仲間になる」。
その順番を間違えないことです。




