あなたも、知らないうちに「ロジカルハラスメント」をしていないだろうか?たとえば、執拗に“なぜ”と聞いたり、論破しようとすると、相手を精神的に追い詰めてしまう。自分の都合や正論を押し付けるのではなく、相手を尊重し、柔軟で配慮ある対話を心がけよう。※本稿は、宮本剛志『「ハラスメント」の解剖図鑑』(誠文堂新光社)の一部を抜粋・編集したものです。
「なぜ」の連続が人を追い詰める
論理で支配するロジハラの実態
論理や理屈、自分なりの正論を武器にして相手を精神的に攻撃し、追い詰めるいじめ・嫌がらせのこと。良かれと思って、論理的な誤りや矛盾を言葉巧みに指摘し続けるが、部下を無力化し、自信を失わせてしまう。
・部下の提案を上司の勝手な論理で否定することで、部下の自信を失わせる。
・会議での部下の発言を、「論理的に間違っているじゃないか!」と断じ、参加者の前で「論理思考がない人にこのテーマは任せられないよね」などと、繰り返し発言者の資質を問題視した。
・ベテラン職員が専門用語や複雑な理論を駆使して、意見の違いを他部門の職員の無知さから来るものと決めつける。
・OJT(オンザジョブトレーニング=上司が部下に対して、実際の仕事を通じて指導・教育すること)のトレーナーが新人に対して、「なぜそんなこともわからないの?」などと“なぜなぜ攻撃”を繰り返し、新人が回答しても「そうじゃないでしょ」と否定し続ける。
“なぜなぜ攻撃”で
ロジハラしていませんか?
企画部長のAさん(女性)は、他部門の中堅社員Bさん(女性)から新しいプロジェクトの提案を受けました。