伝え方でいつも得するリーダーなぜか損するリーダー写真はイメージです Photo:PIXTA

あなたの会社に、やたらと敵をつくる言い方をするリーダーはいないだろうか? そのリーダーに人を巻き込んで物事を達成する力はない。そんなリーダーを反面教師に、無用に敵をつくることなく、「あのリーダーのために、手伝ってあげたい」と思わせる伝え方とは? 3万人のリーダー育成を通じて抽出した、賢いリーダーに共通する「得する伝え方」を紹介する。

※本書は、吉田幸弘『伝え方でいつも得するリーダーなぜか損するリーダー』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。

「この人の仕事を手伝ってあげたい」と思わせるには

 リーダーAさんは営業推進部のEさんに、新商品の案内のために、かなり時間を要するデータを1週間で作成してもらいました。1週間のうちの大半をこの仕事に費やしてもらったので、Eさんには相当の負担になっていたでしょう。残業も発生してしまっていました。クオリティも高く、「ありがとう。この資料なら問題ない」とAさんは伝えます。

 しかし、Eさんは何だかムッとしています。それもそのはず、Aさんは営業推進部に対し、自分の部下と同じように、資料の出来を評価しているからです。これでは、「今後は、この人の仕事を引き受けるのは止めよう」と思われても仕方がありません。Aさんは、Eさんに感謝の意だけを伝えるのがいいでしょう。

 ただし、もっといい手があります。それは、「Eさんの作ってくれたデータ資料、お客様が『非常に見やすい』と喜んでくれたよ」と、その後の反応を伝えるのです。

 自分が少しでも携わった仕事は、その後どうなったかが気になるものです。今回のEさんも、後工程で自分のアウトプットがどのように役に立ったのか気になったはずです。

 働く人は誰でも、仕事に対する「手触り感」を求めています。つまりは、自分の働きが何に貢献したのかがわかる「血の通ったフィードバック」です。

 営業やコンサルなど、クライアントと直接仕事をする職種であれば、フィードバックが得られますが、営業事務や人事など、直接クライアントと関わりのないバックオフィス業務の人などは得られません。ですから、こうしたフィードバックは有難いものなのです。「またこの人のために仕事をしよう」と思ってもらえるはずです。

 なお、コンサルティングをしていたある企業で「営業事務の人に人気がある人は誰ですか?」という質問をしたところ、Bさんという方の名前が上がりました。Bさんはどんな方かというと、必ずフィードバックがある方だったそうです。

 仕事でなくとも、お土産を渡したあと、「美味しかったです」としか言わない人と、「ありがとうございました。あれから社内で争奪戦のジャンケンが始まりましたよ(笑)。美味しくて最高でした」と言う人、どちらに好感を持つかは言うまでもないでしょう。

「持って行った資料を、お客様はこの点がいいと言っていた」
「早い対応だったので、ライバル企業に差をつけることができた」
「あの資料がわかりやすくて、契約につながりました」

 どんな内容でも構いません。後工程の反応をフィードバックすることは、「自分の仕事が役に立っているのだな」と承認欲求の充足にもつながり効果的です。