今週のFRB会合、注目すべき点はPhoto:China News Service/gettyimages

 米連邦準備制度理事会(FRB)が会合を開く頃には、ウォール街はすでに結果を知っているのが通例だ。だが今回は違う。

 2週間前の状況は、FRBが現在3.5~3.75%の水準にある政策金利を据え置く方向を示していた。それまでFRB高官らの発言は利上げに踏み切る条件を示していたが、6月のインフレ指標が軟調だったことでその条件を下回り、利上げを巡る議論は9月に先送りとなった。

 その後、先週あたりから、米国とイランの停戦崩壊でエネルギー価格が上昇すると、7月の利上げを巡る市場の観測が自己増殖し始めた。他のトレーダーが利上げを織り込んでいるからという理由で自分も織り込むという状況だ。9月に行われるはずだった議論が突然、7月に前倒しされた。今月28日時点で、先物市場では利上げ確率が約3分の1と織り込まれた一方、予測市場が示す利上げ確率はそれよりやや低かった。

 29日まで開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)において、サプライズ利上げの有無は、委員会のメンバーが示唆してきた内容よりも、ケビン・ウォーシュ議長が独自の理由で利上げを支持するかどうかにかかっている。そのため、たった1人の戦略を巡る推測が飛び交っている。

 注目すべき三つのポイントを挙げる。

政策決定

 金利の据え置きが通常の判断だ。6月の軟調なインフレ指標に続き、他のデータもその方向を指し示していた。FRBの考え方を普段発信する高官らが市場を誘導していた方向も同じだ。さらに大方の見方では、ウォーシュ氏自身も2週間前の5時間に及ぶ議会証言で据え置きを示唆した。同氏は市場に利上げを準備させるような発言を一切しなかった。

 FRBが据え置きを決めた場合、反対票に注目したい。据え置きに対する1~2票の反対があれば、FOMC参加者の間で利上げへの圧力が高まっていることが浮き彫りになる。過去の議長は、声明文の微調整(タカ派的な表現を加えたり、ハト派的な姿勢を示したり)や、後の会合で行動する可能性の方が高いと示唆することで、同僚の反対票を思いとどまらせることができた。ウォーシュ氏はそうした手段を廃棄したい意向だ。そのため、意見の相違を記録に残さないための手段が減るかもしれない。