次は企画の内容です。Googleとの話し合いのなかで、「リアリティショーは、どうでしょう?」というアイデアを出しました。社内でちょうどグリーンライト(編集部注/企画にGOサインが出ること)を目指して議論されていた企画でした。
当時、リアリティショーはアメリカでしか成立していなかったと思います。しかも、出会っていきなりキスするような展開です(笑)。日本人はそういう恋愛はしない。「日本人が好きなのは恋の初期段階」というコンセプトで製作することになりました。私は編成担当だったので、放送時間は金曜夜の11時からの25分間、自動車メーカーさんの1社提供でスタートしました。ですから、最初は車でデートする話が多かったんです(笑)。
ところが、視聴率は取れないし、動画サイトの方でも数字が回らない。2クール、半年間放送しましたが、結果的にはまったく数字が伸びませんでした。
Googleの若いアナリストが
放った想定外の一言
ここから、普通の番組と異なる展開になっていきます。日本の放送局の場合、数字の取れなかった番組が「なぜ失敗したか?」というレビューを本気ではやりません。ところが、Googleは違いました。関係者が「どうしてこの企画が失敗したのか、分析しましょう」と言ってきたのです。こうした失敗に対する向き合い方は、とても新鮮でした。いま私は配信の仕事にどっぷりつかっていて、こういうレビューは当たり前になりましたが、当時のテレビ局社員としては珍しい体験でした。
Googleとの分析で見えてきたのは、「ターゲット設定の誤り」でした。
フジテレビ側がターゲットとして考えていたのが、放送時間が金曜の夜ということもあって、20代の女性でした。1週間の仕事を終えて金曜夜に見てもらい、そして翌日にYouTubeにアップするというスケジュールです。ひとり暮らしの若い女性に、家に帰って見てもらうというイメージですね。でも数字は伸びない。そのとき、Googleの若いアナリストが、こう言ったのです。
「これって、ターゲットがズレてませんか?」
どういうことかと聞いてみると、「最も動画コンテンツが見られている時間帯が月曜のお昼なんです」という答えが返ってきた。それを聞いて、「?」となりました。まったく想定していない答えでしたから。







