ボイストレーナーや声優など、声の専門家でも何でもない、ごく普通の素人でも、相手の声を聞けば、好きな人に話しかけているときの声なのか、そうでないときの声なのかは、わりと正しく見抜くことができるものです。

 読者のみなさんも、だれかが話しかけてきたときに、「この人は、私のことを好きなのかも?」と感じたことはありませんか。そういうときには、素直に喜んでください。その直感は当たっていることが多いからです。

 米オルブライト大学のスーザン・ヒューズは、男性20名、女性25名の大学生に、電話で魅力的な異性、又はどうでもいい異性とおしゃべりをしてもらい、そのときの声を録音させてもらいました。

 次に、その声を39名の別の判定者に聞いてもらい、「電話の相手が魅力的な人なのか、そうでない人なのか」を判断してもらうと、何と59.44%で正しく見抜けることが確認されました。偶然に当たる確率は50%ですので、59.44%の正答率というのは、偶然以上に正しく見抜けたことになります。

好きな相手と話すとき
声のトーンはどう変わる?

 先に紹介した米ボルチモア大のサリー・ファーレイという心理学者は、もっと高い正答率が見られるという論文を発表しています。

 ファーレイは、12名ずつの男女に、親しい友人か恋人と電話で会話をしてもらい、そのときの声を録音して80名の判定者に相手が友人のときの声か、恋人と話しているときの声なのかを判断してもらいました。

 すると64.6%の確率で正しく判断できることがわかりました。好きな人に対するときには、私たちはどうも普通の人に話すときとは違う独特の声を出すようです。

 では、どういう手がかりに注目すれば、好意のある声だとわかるのでしょうか。

 ファーレイによりますと、ポイントは「声のトーン」。男性の場合、好きな人には高いトーンの声で話しかけ、女性の場合、好きな人には低いトーンで話すようになるそうです。

 男性は一般に低い声をしていますが、好意を感じている人に話しかけるときには、高くて弾んだ声になるのです。