「あっ、係長、ちょっと聞いてくださいよ~」と高い声で話しかけてくるのなら、おそらくは好かれていると判断してよいでしょう。

 女性の場合には、逆です。女性は男性よりも普段は明るい声で話すのに、好きな人に対してはもっと落ち着いた声で話すようです。声の高さに注意すれば、自分が好かれているかどうかもかなりの高確率で見抜くことができるのです。

年配者や女性の気持ちは
読み取りにくい?

 人の心の読み取りやすさというものは、年齢に左右されます。

 ものすごく大雑把に言うと、小さな子どもほど感情は読みやすいですし、年配になればなるほど感情を読みにくくなります。

 小さな子どもは感情がすぐ顔に出ます。

 隠そうという気持ちがあまりないので、すぐに顔に出てしまいます。嬉しいのか、悲しいのか、子どもの顔を見ればすぐにわかるものです。子どもがウソをつこうとしても、すぐにわかります。

 ところが、年配者になるとそうはいきません。

 そもそも感情をあまり顔に出すこともなく、表情が非常に乏しいのです。そのため、表情からその気持ちを推し量ろうとしても、なかなかうまくいきません。

 米ヴァージニア州にあるコモンウェルス大学のアイリス・パーハムは、平均19歳の男女と、平均79歳の男女に、2種類のおいしいドリンクとまずいドリンクを飲んでもらうという実験をしています。

 ただし、飲むときにはまずいドリンクのときでもおいしそうに飲むように、という指示がなされていました。つまり、表情でウソをついてもらったのです。

 次に、飲んでいるのが、おいしいドリンクなのかまずいドリンクなのかを別の参加者に見抜いてもらったところ、年配者のウソは見抜きにくいことがわかりました。年配者は表情でウソをつくのがうまかったのです。

 また、若い女性もまずい飲み物をおいしそうに見せるウソが上手であることがわかりました。

感情を表に出さない人から
本音を引き出す会話のコツ

 性別で言うと、男性は感情を素直に顔に出してしまいます。

「うわっ、これはまずい」と感じた瞬間には、まずいものを口にしたときの表情になってしまいます。男性は表情を偽るのがヘタなのです。特に若い男性の感情は、とてもたやすく見抜くことができます。

 面倒な雑務を男性に命じると、すぐに不機嫌そうな顔を見せます。ところが女性はというと、そういう感情を表情に出さないようにうまくコントロールして、涼しいポーカーフェイスを維持できます。

『10秒で本音を見抜く心理術』書影10秒で本音を見抜く心理術』(著者名、PHP研究所)

 年配者や女性は、あまり感情をオモテに出しませんので、注意が必要です。

 たとえば、一緒に食事をするとき、「中華料理のお店でいいですか?」と尋ねたとしましょう。若い男性ならすぐに感情が顔に出ますので、中華料理がいいのか、それとも他の料理のほうがいいのかもわかります。

 ところが、年配者や女性は、顔色をほとんど変えませんので、「本当は違うものを食べたい」と思っていたとしても、それを見抜くのが難しいのです。

 そのため、「もし中華料理でなければ、どんなものを食べたいですか?私が合わせますので、好きなものを言ってください」と気を使ってあげたほうがいいでしょう。