時間術を駆使しているのに
悩み続けてしまう理由

 その意味で、いわゆる「生産性」を上げるための「時間術」のノウハウの類は、参照する価値があります。時間の使い方が下手で、ムダな作業ばかりやっているよりは、効率を高めて仕事を早く終わらせたほうが、そのぶん静かな時間にあてることができるからです。

 本記事の主題ではないので深掘りはしませんが、書店に行けば大量の時間術の本が並んでいます。それらを参考にしてもらえばいいでしょう。

 私がざっと見たところ、メッセージは結局、6つぐらいに集約されるようです。

(1)有限性の認識……人生の時間は限られていることを自覚し、行動をうながす
(具体例)「人生は4000週間しかない」(注1)、残りのキャリアでやりたいことを考えるなど

(2)選択と集中型……限られた時間を何に使うか、絞ってそれに集中する
(具体例)重要度×緊急度マトリクス、やること・やめることリストなど

(3)時間割・スケジューリング型……いつ・どのくらいの時間を割り当てるかを決める
(具体例)タイムブロッキング、ポモドーロテクニック(注2)、朝活など

(4)習慣化・仕組み化型……意志力に頼らず、ルールや仕組みで行動を自動化する
(具体例)ルーティン化、習慣形成アプリ、リマインダーなど

(5)注意力・集中力型……限られた認知リソースを守り、密度を高める
(具体例)通知オフ、SNS断食、瞑想、個室作業ブースなど

(6)外部化・委任型……すべてを自分でやらず、誰かに思い切って任せる
(具体例)外注、権限移譲、チーム活用など

 これらのテクニックは、短期的な生産性向上には極めて有効です。私自身もほとんどすべて活用しています。

(注1)オリバー・バークマン著、高橋璃子訳(2022)『限りある時間の使い方人生は「4000週間」あなたはどう使うか?』かんき出版

(注2)25分間の集中作業と5分間の短い休憩を繰り返すことで集中力と生産性を高めるテクニックのこと