メールやチャットツールを閉じて、返信をしない時間をつくるのです。
現代のデジタル環境は、私たちに即時性を強く求めます。
Slackの通知やメールの着信音が鳴るたびに、まるでパブロフの犬のように反応して、「すぐに返信しなければならない」という強迫観念に駆られている人は少なくないでしょう。「仕事ができるやつは返信が速い」というのは典型的な「共同体の空気」です。
この即時的な反応が、私たちの集中力を細切れにし、深遠な思考や創造的な活動の時間を奪っていくのです。
実際に、同僚とのスピーディーなコミュニケーションのなかに身を置いていると、仕事がサクサク進んで爽快感があるかもしれません。
しかし、相手もまた「速く反応しなければ」と考えていたりするので、おたがいに思考が練られておらず、拙速なやりとりになっていたりもします。
ですからまず、この「速く反応するほうが偉い」という暗黙の前提に疑いをかけましょう。実際に、返信が遅くても仕事ができる人もいるし、返信が速いのに仕事ができない人もいます。
具体的には、「スロー返信デー」を設定するのがおすすめです。「毎週火曜日はメールを返さない」とか、「水曜日はよほど緊急でない限り、Slackに反応しない」と、遅延する日を決めてしまうのです。
仕事の内容によりますが、5営業日中、1日くらい返信が遅い日があっても、仕事の質はそこまで下がらないはずです。
丸1日が難しければ、時間帯で区切るのもよいでしょう。私自身、子どもを小学校に送ってから昼休みまでの午前中の時間は、緊急な用件以外はスケジュールに入れないようにしています。メールも返信しません。
ただし過度にやると、まわりに迷惑をかけたり、シンプルに「使えないやつ」になったりする可能性があるので、そのあんばいは重要です。
それでも、この遅延という行為は、他者の期待から自分を切り離し、自分自身の内なるリズムを取り戻すための、最初の突破口となるはずです。







