カフェやホテルで
共同体から離れる

 次に、場所の力も活用しましょう。もっとも手軽なのがカフェです。

 カフェは、職場共同体、家族共同体から離れて、ワンコインで静かな時間を確保できる空間です。近所にお気に入りのカフェがあって、なおかつお気に入りの席があると、日々の静かな時間が充実します。

 静かな時間といっても、必ずしも物理的に静かな場所を求める必要はありません。多少、ガヤガヤしているほうが落ち着くという人もいます。私自身、ちょっと騒がしいくらいのほうが静かな時間に向き合いやすいので、物理的なノイズはあまり気にしていません。

 私の場合、朝、子どもを小学校に送ったあとカフェに立ち寄り、ノートを広げて静かな時間を過ごしています。このルーティンを週に何回か行うことを、とても大切にしています。

 ここで大事なのは、Wi-Fiが飛んでいるからといって、メールの返信などをしないことです。それだけで、あっという間に時間が溶けていきます。

「カフェでは仕事をしない」「カフェではソーシャルノイズに応えない」と強い気持ちで決めて、自分のためだけにその時間を味わうのです。

 少しハードルは上がりますが、お気に入りのホテルで「ひとり合宿」をするという方法もあります。たまに休みを取って、自分へのご褒美に行ってみたいホテルを予約して、自分だけの静かな時間を過ごすのです。

自分だけの「書斎」作りは
最高の投資になる

 私は原稿が進まないとき、次に書きたい本のアイデアが思いつかないとき、キャリアがなんとなくうまくいっていない感覚があるとき、予定をなんとか調整して、都内のホテルで「山ごもり」をすることがあります。

 ミーティングや余計な予定は入れず、外部を遮断して読書にふけったり、思考を整理したり、執筆を進めたりするのです。

 ぜいたくに思われるかもしれませんが、長い目で見ると、そこから新しい本が生まれたり、自分のキャリアの発見のきっかけになったりしているので、むしろ費用対効果が高いお金の使い方だと思っています。

 時間と予算に余裕があれば、旅行もかねて、ふだんとは遠く離れた地に足を運んでひとり合宿をするのもよいでしょう。出張でどこかに行くときに1泊延ばして、ひとり合宿タイムをつくるというやり方もあります。

 また、その際の移動時間も有効活用しています。タクシー、新幹線、飛行機など、移動という強制的な切り替えによって、静けさをつくることができます。

 静かな場所づくりの究極系は、自分だけの「書斎」をつくることです。

 私は自宅の近くに小さなマンションを借りて、書斎として利用しています。落ち着いて本が読めて、思索に耽り、執筆ができる環境が欲しかったのが最初の動機です。ぜいたくなお金の使い方ではあるのですが、いざ借りてみたら最高の投資だったと感じています。

 書斎として使うだけなら、お風呂が狭いとか、洗濯物が干せないとか、生活面での機能を気にする必要がありません。みなさんの近所でも、住むには微妙だけれど、書斎としては最適で割安な物件がきっと見つかるはずです。