しかし、ここで立ち止まって考えたいのは、「なぜこれほど時間をやりくりする解決策が出尽くしているのに、私たちはいまだに悩み続けているのか」、という問いです。

 書店は、時間術の本で溢れているのに、私たちは、時間に悩み続け、また新しい本が出版され続ける。

すぐに返信しない
「沈黙タイム」をつくる

 この背後にある原因を突き詰めていくと、結局のところ、「外部から押し寄せる要請に対して、時間をやりくりしてとにかく全力で応えよう」という姿勢は、ある意味、ソーシャルノイズに対する依存的なリアクションを強化することに他ならないからです。

 少しでも生産的な人材であろうとする行為自体が、本質的には「騒がしい時間」そのものとも言えるのです。

 根本的な問題は、外部に「過剰適応」し続けることで、自分の声が聞こえなくなること。他者の期待に生産的に応えようとするほど、「内発的動機」が抑圧されることです。それによって、心身が疲弊し、燃え尽きてしまうリスクがある点です。

 時間術を学び、時間を効果的に使うことは、たしかに静かな時間の確保につながります。ただし目的を履き違えると、時間効率を全力で追い求めることは、かえってソーシャルノイズの支配を強めることになるのです。

 大事なのは、ソーシャルノイズに対してリアクションしないこと。

 リアクションを一時停止し、あえて「反応しない時間」をつくること。

 ソーシャルノイズをスルーする時間を、意識的に確保すること。

 これこそが、本記事でお伝えしたい静かな時間を確保するための第一歩なのです。

「スロー返信デー」を
設定するのがおすすめ

 ここからは「反応しない時間」、ソーシャルノイズをスルーする時間の具体的なつくり方についてお話ししていきます。

 まず、ぜひ実践していただきたいのは、すぐに返信を返さない「沈黙タイム」をつくること。つまり、リアクションを「遅延」させることです。

 反応速度を意図的にコントロールすることで、1週間のなかに「期待に応えていない時間」を忍ばせる。