配当の権利付き最終売買日を
過ぎれば理論株価は下がる
なぜならば、配当には、「配当の権利落ちによる理論株価の下方修正」が伴うからです。
「配当の権利落ちによる理論株価の下方修正」というのをわかりやすく説明するために、簡単な数値を用いて解説します。
配当の権利付き最終売買日(すなわち、この日の大引けの15時30分の時点で株を保有していれば、配当がもらえる日)が3月28日だとして、その日にA社の株式を保有していたとします。その日の大引けの時の株価が1000円だとして、配当の予定額が半期で1株当たり25円だとします。
すると、その翌日3月29日のA社の株式の価値は、配当予定額の25円だけ少なくなるのです。
なぜなら、3月29日にA社の株式を保有していても配当(25円)は受け取れないからです。これは株主の側からみた価値の話です。
それに、会社の側からみても、A社は3月28日に25円の配当を支払うことがほぼ確定しているので、3月29日にはA社の株価が25円だけ下落するのが、理論的に適正だからです(実際の支払は6月中に行われる株主総会の翌日からですが)。
ですから、3月29日のA社の株式の株価は、理論的には(1000円-25円=)975円になるのです。これを「配当の権利落ちによる理論株価」というのです。
これは「理論的な株価」ですから、その株式の人気が高い場合には、3月29日に必ずしも下落して始まるとは限らないのですが、多くの場合は、配当の金額だけ低い株価で始まります。
仮に、A社の株式の人気が高くもなく低くもないとした場合には、3月29日のA社の株価は、理論株価通りの975円になるはずなのです。
また、場合によっては、「高い配当をもらいたいという期待の剥落」によって、3月29日以降のA社の株価は、1株当たり配当額(25円)よりももっと下がってしまい、950円とか、それ以下になることもあります。
このようなことから、「(配当利回りが高いから、)配当をもらおう!」と考えて、配当の権利付き最終売買日にA社の株式を売らずに、配当を受け取る権利を得たとしても、3月29日におけるA社の株主の資産は1株当たり(975円の株式と25円の配当の合計で)1000円ですし、配当を受け取る権利を得る直前の3月28日の大引けに(配当をもらわずに)A社の株式を1000円で売却しても、3月29日におけるA社の株主の資産は1000円です。







