配当が欲しいから株式を
売らないのはナンセンス
つまり、株主の資産の総額という観点から考えれば、「配当を受け取ることそのもの」には、ほとんど意味がないのです。
配当を受け取れば、A社の株主の資産は(975円の株式と25円の合計で)1000円ですが、配当を受け取らずに、権利付き最終売買日の3月28日に株式を売ってしまっても、A社の株主の資産は1000円だからです。
もっと言えば、「配当の権利取り狙いの売り」が出てくることもあります。
つまり、配当の権利付き最終売買日(この数値例でいうと3月28日)が近づくと、ここで解説したようなことを知らない株主は、心理的には「配当をもらいたい」と思って、売ろうとしなくなりがちですし、「配当利回りが高いから」という理由で、新規の買いも入りやすくなります。そうすると、株価が上がりやすくなるのです。
そこで、そういった動きを見越して、「配当をもらうつもりはないけど、短期的な株価の上昇が起こる可能性があるので、その値上がり益だけを得よう」という短期の値幅取りを狙った投資家が、3月上旬くらいから買いに入って、配当の権利付き最終売買日の当日または、その少し前の日に売りに出すため、株価が比較的大きく下がってしまうということもよくあります。
以上のような理由から、「配当をもらいたい」と思って売らずにいることは、意味がないこと(ナンセンスなこと)なのです。
高値で買ってしまい
株価が下がれば失敗
理由2:配当を失敗の言い訳にしているケースが多いが、失敗は失敗だから
もっとナンセンスなのは、配当を投資の失敗の言い訳にしているケースです。
配当の権利付き最終売買日が3月28日だとして、それよりはだいぶ前の時期、たとえば前年の10月10日に、比較的高い株価で買ってしまったとします。
具体的には、先ほどのA社の株式を1200円で買ってしまっていたとします。そして、今年の3月28日の株価が1000円だとします。







