小学校から企業研修、さらには少年院まで、さまざまな現場で教えてきた小説家が教える、世界一やさしい「言語化」にまつわる授業。本記事では、子どもも読めて、大人に刺さる『小学生でもできる言語化』をもとに、「危険に気づけない人の特徴」について、ライターの柴田賢三氏にご寄稿いただいた。(企画/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

「危険に気づけない人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

誰も定着しないと思っていた言葉

 最近、ニュースで「トクリュウ」という言葉を目にすることが増えました。

 正式には「匿名・流動型犯罪グループ」と呼ぶそうです。

 これまでの暴力団などとは違い、明確な組織を持たず、事件ごとにメンバーを入れ替え、実行犯はSNSで募る新しい犯罪集団。

 たしかに、彼らを言語化すると、「匿名・流動型犯罪グループ」という表現が当てはまります。

「“トクリュウ”? 恐竜じゃないんだから」

 この新しい言葉を警察が使い始めた頃、事件記者たちは、こう言っていました。

「こんな長ったらしい名称、定着するはずがない。略称の『トクリュウ』も、『クビナガリュウ(首長竜)』じゃないんだから。恐竜かよ(笑)」

 しかし、彼らの起こす犯罪の悪質性が際立ち、短期間に事件が続発したことによって、連日の報道であっという間に言葉が定着しました。

 今では、一般社会でも「トクリュウって怖いよね」などと、普通に使われています。

「トクリュウ」「半グレ」が社会に定着した理由

 ほかにも、警察が言語化したとされる同様の言葉として「反社(反社会的勢力)」や「半グレ」なんてのもあります。

 実は、後者は暴力団取材を長年続ける著名なジャーナリストが最初に言語化したものですが、警察やマスコミも使うようになったことで一般化し、定着したとされています。

 トクリュウと同じように暴力団には属さないが、犯罪傾向の強い人物のことを、半分グレているから「半グレ」。

「反社」は、そうした人物や集団を総称する場合に便利な言葉として定着し、今ではこれらの言葉を目にするだけで恐怖感すら覚えるほどです。

名前がつくと、正体が見えてくる

『小学生でもできる言語化』という本には、こんな一文があります。

まだ名前のついていない新しいものや現象を言語化して、ひとくくりにするような名前をつけることで、その新しいものや現象をはっきりと認識できるようになって次の行動につなげやすくなります。

――『小学生でもできる言語化』より

 著者で作家の田丸雅智氏は、例として「Z世代」や「推し」という言葉を挙げていますが、犯罪者にも適用することで「次の行動につなげやすく」なることが重要です。

 SNSに流れてくる甘い言葉には乗らないこと。

 これも新しい言葉として定着した「闇バイト」には、絶対に関わらないようにしなければなりません。