朝、アラームと共に布団から跳ね起きていませんか? その何気ない習慣が、血圧の乱高下や脳の血流不足を招き、体に大きな負担をかけています。突然死のリスクや転倒を防ぐために知っておきたい、科学的データに裏づけられた「正しい目覚めのノウハウ」をご紹介します。
※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。

【脳の専門医が教える】科学的データが証明する「ゆっくり起きる」効果・ベスト1Photo: Adobe Stock

布団の中でする「軽いウォーミングアップ」

朝、目覚めたときに慌てて布団から跳ね起きる習慣は、実は私たちの体に大きな負担をかけています。睡眠中のリラックスした状態から急に体を動かすと、血圧が乱高下したり、脳への血流が一時的に不足して立ちくらみを引き起こしたりする危険があるのです。

こうした朝のリスクを防ぐために知っておきたい、科学的にも裏づけられた賢い目覚めのノウハウをご紹介します。安全に一日をスタートさせるために、私たちが実践すべきことは非常にシンプルです。

これはいわば、寝ている状態から立ち上がるための“軽いウォーミングアップ”。このひと手間を加えることで、身体は「これから起き上がるぞ」という準備を整えることができます。そして、その後にゆっくりと起き上がれば、あの危険な血圧の乱高下を劇的に抑制できるのです。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

起き上がる前に、寝床の中で手足を数十秒から数分間モゾモゾと動かす。これだけで、睡眠中に休止状態にあった「筋ポンプ」が再起動し、下半身に滞っていた血液が穏やかに心臓へと還流し始めます。

体が「これから起きる」ための準備を整えることで、急激な血圧変動を防ぐことができるのです。

科学的データが証明する「ゆっくり起きる」効果

このウォーミングアップと起床動作の重要性は、科学的な研究データによっても裏づけられています。

「モゾモゾ運動」の効果は、科学的なエビデンスによっても裏づけられています。ある研究(出典:Gerontology. 2017;63(2):137-143.)では、起床時の起き上がり方で血圧の低下度合いを比較しました。比較したのは、「ゆっくり起き上がる人」「普段通りの人」「できるだけ速く起き上がる人」の3グループです。結果は明白でした。「ゆっくり起き上がる」グループは、ほかの2グループと比較して、起床後15秒間の血圧低下が5~7%も抑えられたのです。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

この研究結果から分かる通り、ただ速く起き上がることは体に負担を強いるだけで、何のメリットもありません。

「モゾモゾ運動」で筋ポンプを始動させ、血流を整えてから「ゆっくり起き上がる」こと。この組み合わせこそが、血圧の急変動から身を守るための、最も賢明な方法論であることの傍証といえるでしょう。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

明日から実践できる健康習慣

朝の血圧の乱高下や立ちくらみ、そしてそこから起こりうる転倒リスクは、ちょっとした工夫で劇的に防ぐことができます。

明日からの朝は、目覚ましが鳴ったらすぐに起き上がるのではなく、まずは布団の中で手足を動かす「モゾモゾ運動」を行い、それからベッドの端に腰掛けてゆっくりと立ち上がるようにしましょう。この小さな習慣の積み重ねが、あなたの脳と血管を守り、健康でイキイキとした毎日を支えてくれます。

ちょっとした筋肉の伸縮を意識するだけで、脳への血流が改善され、日々のパフォーマンスや健康寿命の延伸に大きくつながります。毎日の習慣に、ぜひ取り入れてみてください。