さらに言えば、聡明さは、孤独と同義だと思います。だって賢くて客観性のある人ほど、簡単に話が合う人は見つからないし、他人の心が離れていくことにも敏感だったりする。だから賢い人は孤独で当たり前なんです。

 とはいえ「それでもなお、人間って面白いよ!会う価値があるよ!」と考えるのがこの記事の立場です。

 友達というのは不思議な存在です。夫婦は民法、同僚や上司は雇用契約など法律で規定された関係です。だけど普通、友達との間には何の契約も介在しません。くっつくのも離れるのも簡単です。

 だからこそ、気楽に付き合えばいいと思います。

利害関係のない友情こそが
素晴らしいと言えるのか

 一口に「友達」といっても色々あります。

 投資家の瀧本哲史さんは「友達」と「仲間」を分けて考えていました。

 瀧本さん風に言えば、「君に友達はいらない」。でも「仲間」は必要だというのです。

 何か大きなことをしようと思ったら、仲間が必要です。

「早く行きたければ一人で、遠くへ行きたいならみんなで」。そんな格言があります。

 現在、人類が一番遠くへ行けたのは月面です。アポロ計画では、たった12人の宇宙飛行士を月面着陸させるために、最大で40万人が雇用されたといいます。

「仲間」というのは、言い換えれば「利害関係のある友達」。利害関係のない友情こそ素晴らしいと言う人がいますが、僕はそうとも言えないと思います。

 利害関係のない友情って、続けるのがめちゃくちゃ難しいんです。よく大人が理想として語るのは、子どもや学生時代の友人関係ですよね。だけど子ども時代であっても、実は何らかの利害でつながっていませんでしたか。

 不良と秀才の組み合わせとか、典型的ですよね。秀才は不良に勉強を教える代わりに、ボディーガードのような役割を果たしてもらう。

 そこまで極端でなくても、「一緒に給食を食べるメンバー」とか、何か役割のあった友達は多いはずです。

 どんな時も味方でいてくれるとか、見返りもなしに助けてくれるとか、そういうピュアな関係に到達するには時間が必要です。言い換えれば、その境地に到達するまでに、その友人関係には何らかの利害がある期間があるということです。