古市憲寿氏古市憲寿氏 (c)seiji shibuya

「何でも話せる親友が必要」「一生付き合える友達を作るべき」――。そんな固定観念が、かえって人間関係を苦しくしているのかもしれない。社会学者の古市憲寿氏は、友達は「いいとこどり」で付き合えばいいと説く。無理をせず、好きな人を好きなままでいるための人間関係の築き方とは。※本稿は、社会学者の古市憲寿『コミュ力不要の社交術』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

1人が好きなら無理に
友達を作る必要はないけれど

 そもそも友達って必要なのでしょうか。

 長らく人類は1人で生きることができませんでした。狩猟採集時代からつい最近まで、人類は家族や集団などのコミュニティ単位でないと生存できなかったのです。

 しかし現代日本では、大人なら何の不自由もなく1人で生きていけます。「おひとりさま」に対する社会の目も優しい。欧米における社交の場では、夫婦やパートナーなど2人が基本単位。30歳を過ぎて一人暮らしの人には偏見があったりします。

 つまり1人で生きていけるようになったのは、人類の進歩の証だといえます。

 僕は、究極的には、友達はいてもいなくてもいいと思っています。

 1人が落ち着くと思う人が、無理に誰かといる必要はない。気の合わない人と一緒に過ごすのって苦痛ですよね。

『路傍のフジイ』という漫画が人気です。はたから見るとうだつの上がらない中年男性が、きちんと自分の世界を持っているという物語です。たぶん彼に友達はいてもいいし、いなくてもいい。