その1【「なぜ?」「どうして?」を増やす】
クリティカルシンキングを育てる最初のステップは、子どもへの「問い」を増やすことです。子どもとの会話の中に「なぜそう思うの?」「本当なのかな?」「どうしてそう思うの?」という「問い」を増やすと、子どもはごく自然に「なぜ自分はそう思うのだろう?」と、自分の思考の根拠について考える習慣を身に付けることができます。
子どもの答えが突拍子なくても、バカにしたり、訂正したり、親の意見を押し付けたりしないでください。上手に質問を重ねて、子どもが自分の思考の根拠について検証できるように導いてあげてください。
「なぜ?」「どうして?」という言葉は、一歩間違えると相手を問い詰める「詰問になりかねません。例えば大人同士でも、上司から「なぜできないの?」という問われたときに、“できない理由を知りたい”だけでなく“このくらいできてほしかったのに”というニュアンスを感じて「問い詰められた」と思ってしまうケースもあるでしょう。この現象は、子育ての現場でも同じです。
子ども自身が「親に問い詰められている」とプレッシャーに思わないように、「どうしてそう思うの?」と「思考の根拠」について尋ねることがポイントです。たとえば「学校で一番好きな教科は何?」と問えば、子どもは直感で「体育!」と答えます。すかさず「どうして体育が好きなの?」と思考の根拠を尋ねるのです。子どもに「なぜ?」を使う時は、親が声色を柔らかくするなど、細やかな配慮が必要です。
その2【オープンエンドの問いをする】
「YES・NO」で答えられる問いをクローズドエンド、「YES・NO」で答えられない問い、正解がない質問をオープンエンドと呼びます。クリティカルシンキングを鍛えるには「オープンエンドの問い」が効果的です。
「今日学校楽しかった?」という問いは「YES・NO」で答えられるのでクローズドエンドです。話が「うん!」「別に」で終わってしまいます。
「今日先生から聞いた話で、一番面白かったことを教えてもらえる?」「休み時間の一番楽しい過ごし方を教えてくれる?」「今日一番笑った話を教えてもらえる?」「クラスで面白い子について教えてくれる?」という問いであれば、子どもは記憶を呼び起こし、思考を自分の言葉に置き換えて説明しなければなりません。つまり、「深い思考」が要求されるのです。
その3【子どもから「問い」を引き出す】
子どもは成長の過程でたくさんの不思議なこと、知りたいこと、分からないこと、理解できないことに出合います。子どもの「どうして?」「何で?」を放っておかないようにしましょう。
基本は、子どもの素朴な疑問に親がきちんと答えることです。親がしっかり答えてあげないと、分からないことを分からないままにする習慣が身に付いてしまいます。
「トイレに流した水はどこに行くんだろう?」「蛇口の水はどこから来るのだろう?」「テレビはどうして映るんだろう?」「月はどうしてついてくるのだろう?」「鳥はどこまで高く飛べるのだろう?」「空はなぜ青いのだろう」……。子どもの疑問は、親にとっても答えられないことが多いものです。親が分からないときは見えを張らずに、子どもと一緒に調べる(考える)ようにしてください。
素朴な疑問を「人に聞くのは恥ずかしいことではない」と、繰り返し子どもに伝えてください。分からないこと、不思議に思うことを放っておくこと、知ったかぶりをすることの方が恥ずべきことであると教えてあげましょう。







