すべての子どもには才能がある、これはまぎれもない事実です。しかし、子どもに「健全な競争心」がなければ、その才能を開花させることはできません。勘違いされがちなのですが、競争は悪ではありません。むしろ、子どもの飛躍に不可欠な“自信”を大きく育てる絶好のチャンスなのです。今回は、「子どもの健全な競争心を育てるために、親が本当にすべきこと」を解説します。(TLC for Kids代表 船津 徹)
北京冬季オリンピック、フリースタイルスキー女子ビッグエアで金メダルを獲得した18歳のアイリーン・グー(谷愛凌)選手。米国人の父親と中国人の母親を持ち、米国で生まれ育ったグー選手は、母親の祖国である中国のために戦うことを決意、中国代表としてメダル獲得に貢献しました。
グー選手のすごさはスキー技術の高さや勝負強さだけではありません。
米国の大学進学適性試験(SAT)は1600満点中1580点を獲得。高校を飛び級で卒業し、世界最難関といわれるスタンフォード大学に合格しています(競技に集中するため入学は22年9月に延期)。
さらにそのルックスを生かしてモデル業にも本気で従事。ルイ・ヴィトンやティファニーの広告に登場するなど、まさに「天は二物も三物も与えた」スーパーガールなのです。
競争を避けると「たくましさ」が育たない
なぜアイリーン・グー選手は高いレベルで文武両道を実現できたのか。私はその答えの一つに競技スポーツを通して培われた「健全な競争心」があるのではないかと考えています。
グー選手はフリースタイルスキーの他にも陸上競技やロッククライミングでもトップレベルの実力者だそうです。
日本には競争は「悪」というネガティブイメージがありますが、アメリカで「competitive/負けず嫌い」といえば、成功や勝利への執着が強い人、粘り強く諦めない人など、ポジティブに見られる場合がほとんどです。