新色の赤に込められた狙い

F:赤はかなり思い切った色ですね。社内に「赤なんかジムニーじゃない」と騒ぐ反対勢力はありませんでしたか?

スズキ 商品企画本部 四輪インドB・C・Dセグメント商品統括部 チーフエンジニア 佐々木貴光さん:いえいえ(笑)。

福:実は赤は以前から要望が多かった色なんです。一方で「郵便局や消防車のように見えるからダメ」という意見もあり、現行型ではこれまで設定されていなかったんです。今回の赤はメタリック感を持たせながら、鮮やかにし過ぎない色調に仕上げています。ジムニーの色には、自然の中で目立つ色と、周囲に溶け込む色という考え方があります。この赤は目立つ側の色です。「行動的で気分を高揚させる色」として採用しました。

≪グリルでは基本形を守りながら質感を変え、ボディカラーには従来なかった赤を加えた。ノマドのデザインは、何も変えなかったのではない。どこを守り、どこを変えるか。その境界線を慎重に慎重に見極めたのである。≫

5ドア化がもたらした、変わらない「ジムニーらしさ」

F:歴史あるジムニーを担当することに、プレッシャーはありませんでしたか?

福:もちろんありました。ジムニーは有名なクルマですし、モデルサイクルも長い。そこに関われたことはとても光栄で嬉しいことです。良いものができたと思っています。

 ノマドは、シエラを単に長くしたクルマではない。フロントドアを造り直し、Bピラーを動かし、ボディの曲線を引き直す。それでいて完成した姿はどこから見てもジムニーだ。

 名車ジムニーを“別のクルマ”に変えることなく、その世界観を5ドアへと拡張した。それが、ジムニーノマドなのである。

(フェルディナント・ヤマグチ)