こうした地割れは、地震を引き起こした日奈久断層帯の活動に伴い、断層のずれが地表まで達して生じた「地表地震断層」である可能性が高いと見られる。今後、専門機関による詳細な調査や解析によって、さらに明らかになるだろう。
「地表地震断層」で生じたと見られる地割れの様子。地割れは地震の揺れ、盛土、液状化、構造物付近など様々な理由で生じることがある(提供/さくら事務所)拡大画像表示
「地表地震断層」の可能性が高い地割れは、熊本市南区から宇城市、氷川町、八代市にかけて連続して追跡することができる。とくに宇城市南部以南では、山地と平野の境界に沿って分布していた。
この地域には住宅地も広がっていることから、地割れは住宅や宅地の擁壁、ブロック塀などの構造物に加え、橋梁や道路、護岸などの社会インフラ、さらには田畑などの農地を横断していた。その結果、構造物が左右に大きく引き裂かれたり、地盤の沈下によって大きく傾いたりするなど、深刻な被害が確認された。
この被害の特徴は、建物や構造物が損壊しただけでなく、土地そのものが数十kmにわたってズレ動いた(変位した)点にある。そのため、土地境界の位置が変化した可能性や、宅地の擁壁が損壊したことで現状のままでは住宅の再建が困難となるケースも想定される。
家屋被害が集中して
発生していた地域は?
(2)地震の揺れによる建物被害
地震の揺れによる家屋被害も各地で確認された。活断層のずれで建物が引き裂かれるような被害とは別に、地震動による家屋の倒壊が目立った。
7月30日朝、熊本市から八代市へ向かう際、国道3号の渋滞を避けて熊本県道14号を南下したところ、氷川町鹿島付近から家屋被害が増え始めた。さらに氷川という河川を渡って八代市鏡町に入ると、倒壊した家屋がまとまって確認されるようになり、この地域で家屋被害が集中して発生している状況が確認された。
家屋倒壊の様子<1/2枚目>(提供/さくら事務所)拡大画像表示
家屋倒壊の様子<2/2枚目>(提供/さくら事務所)拡大画像表示
八代市鏡町では、倒壊や損傷した家屋の多くが築年数の古い木造建築であるように見受けられた。被害の状況は、平成28年熊本地震で被害が集中した益城町で多く見られたような、1階部分が押し潰された建物が目立つなど、共通する特徴が認められた。







