地震に強い家づくりの
「3つの条件」

 地震への備えは、次の優先順位を意識して進めることが望ましい。在宅避難を想定して飲食料や防災用品を備蓄していても、住宅そのものが倒壊すれば活用することはできない。まずは命を守り、安全に生き延びるための備えを優先すべきである。

・第1優先:建物を倒壊させない(住宅の耐震化・立地リスクの確認)
・第2優先:室内でケガをしない(家具の固定・ガラス飛散防止)
・第3優先:生き延びるための備蓄(飲料水・非常食・カセットコンロなど)
・第4優先:衛生環境と情報収集の確保(携帯トイレ・モバイルバッテリー・ラジオなど)

 地震に強い住宅の条件として、次の3点が重要である。

・立地リスクが低いこと、または立地リスクを把握し、適切な対策が講じられていること
・建物自体の耐震性能(初期性能)が高いこと
・耐震性能を維持するための定期的な点検・補修が行われていること

 立地リスクには、活断層の直上や近傍であること、津波浸水の可能性、液状化の起こりやすさ、地盤による地震の揺れの増幅などがある。立地はあとから変えられないため、土地を選ぶ際にはハザードマップなどを活用し、あらかじめリスクを把握しておくことが重要である。

 これは決して「リスクのある場所に住んではいけない」という意味ではない。重要なのは、自らが住む地域にどのような災害リスクがあるのかを理解し、そのリスクに応じた備えを行うことである。避難が必要となる可能性が高い地域では、迅速に避難できる体制を整えておくことが求められる。

 立地リスクが比較的小さく、十分な耐震性能を備えた住宅であれば、自宅で安全に生活を継続できる可能性が高まる。在宅避難が可能な世帯が増えることは、住宅を失った人や高齢者、障害者など、真に避難所を必要とする人のためのスペースを確保し、避難所環境の改善にもつながる。

 新築住宅では、平成28年熊本地震でその有効性が示された耐震等級3を採用することが望ましい。一方、既存住宅では、とくに1981年5月以前の旧耐震基準で建築された住宅について、耐震診断や耐震改修を積極的に進める必要がある。自治体の補助制度なども活用し、少なくとも新耐震基準を満たす耐震性能を確保することが重要である。

 また、住宅は新築時の耐震性能だけでは十分ではない。雨漏りやシロアリ被害などによって構造部材が劣化すると、本来の耐震性能を維持できなくなるおそれがある。住宅を長く安全に使い続けるためにも、定期的な点検や適切な補修を行うことが、地震への備えとして重要である。

※詳細な調査レポートについては、さくら事務所のホームページを参照