過去の街並みの写真を見ると、この地域は県道沿いに古い商店や住宅が軒を連ねる市街地だったと見られる。しかし、古い街道沿いや築年数の古い木造住宅は県内の他地域にも広く分布しているにもかかわらず、鏡町ではとくに家屋被害が集中している傾向が認められた。
過去の地震では、軟弱な地盤で地震の揺れが増幅されたことや、地盤と建物の揺れの周期が一致する「共振」が生じたことで、建物被害が拡大した事例が報告されている。揺れやすい地盤では、周辺の揺れにくい地盤に比べて震度が1~2階級程度大きくなる場合があり、たとえば震度5強相当の揺れが震度6弱から6強に増幅される可能性もある。そのため、建物被害も大きくなりやすい傾向がある。
地盤の揺れやすさは、国が無料公開している地震ハザードステーション「J-SHIS」というマップで確認できる。同サイトの「表層地盤」の「地盤増幅率」を見ると、八代市鏡町付近は、周辺より地盤増幅率が高く、比較的揺れやすい地盤を示す濃赤色で表示されている。
現時点では被害の要因を断定することはできないが、今後、地盤条件と建物被害との関係について詳細な調査・解析が進められることで、その実態が明らかになると考えられる。
液状化現象による
建物への影響はあったのか?
(3)液状化による被害
熊本市南区から八代市にかけて、液状化による噴砂や道路の地割れなどが確認された。平成28年熊本地震でも熊本市周辺では多数の液状化被害が発生したが、令和8年熊本地震でも複数の地点で液状化現象が発生したことが確認された。
7月30日までの現地調査では、液状化が確認された最も北の地点は、平成28年熊本地震でも液状化が発生した熊本市南区川尻だった。一方、最も南の地点は八代市古城町であり、少なくとも南北約27kmにわたる範囲で液状化が発生していたことが明らかとなった。
また、埋め立て地の港湾部である八代市新港町では、大規模な噴砂のほか、液状化に伴うとみられる地割れや地盤の陥没、建物基礎周辺の地盤沈下などが確認された。
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一方、埋め立て地や低地を車で踏査した範囲では、液状化によって地域一帯の家屋が軒並み傾斜するような広範囲の甚大な被害は確認されなかった。ただし、今後も低地や埋め立て地では液状化リスクを考慮した土地利用や防災対策を進めていくことが重要である。







