問題なのは、転売された20戸のうち、自己居住目的の購入者に渡った住戸が1戸もなかったという点です。

 たとえば、C01という住戸は、新築後に購入者が登記してからわずか1カ月で、法人から法人へと転売されていました。C16という住戸は、登記から2.4カ月で非居住の個人から法人へと移っています。転売パターンは、「法人→法人」「法人→非居住の個人」「非居住の個人→法人」のいずれかで、自らが住もうとする人の手には1戸たりとも届かないまま取引が繰り返されていました。

 また特徴的なのは、短期転売を経て最終的に台湾在住の個人に売られたケースが、20戸のうち4戸(C09・C12・C17・C18)も見られた点です。新築時から外国居住者が直接購入するだけでなく、国内の法人や個人投資家等が外国居住者へ転売する流れも生まれている可能性を示しています。

 ちなみに、新築から1年もたっていない段階ですが、大阪市西区のCマンションにも販売中の住戸が複数あり、不動産情報サイト「マンションレビュー」によれば、値上がり率はすでに1.3倍となっていました。

 住まない所有者の間で転売が繰り返されることで、価格が押し上げられていく構図が見てとれます。

都心・中心部ほど
短期転売率が高い

 こうした短期転売が住宅価格高騰を招いているのではないかという声が高まる中、国土交通省は東京23区や政令指定都市などを対象に、新築マンションの購入者に関する実態調査を行い、2025年11月に公表しました。不動産登記情報をもとに、購入後1年以内の短期売買の状況や、国外住所者による取得状況が分析されています。

 この調査では、都心・中心部ほど短期転売の割合が高く、近年、増加傾向にあることが示されました(図表1-6)。

図表1-6 新築マンションの短期売買(購入後1年以内の売買)の状況同書より転載 拡大画像表示