高層ビルが立ち並ぶ都心の街並み写真はイメージです Photo:PIXTA

都心のマンション価格高騰をめぐっては、外国人富裕層による「爆買い」が注目されがちだ。だが、筆者が調査対象とした高級マンションの登記簿をたどると、国内法人による購入や複数戸の「まとめ買い」も少なくなかった。購入法人はどこに拠点を置き、どのような事業を行っているのか。買い手の実像に迫る。※本稿は、明治大学教授の野澤千絵『マンション高騰の真実 都市部の「非居住化」が街を壊す』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。

新築マンションを買っているのは
本当に外国人富裕層なのか

 巷には「23区のタワーマンションの上層階は、超富裕層の外国人が買い占めている」などという根拠が不確かな噂がありますが、実際はどうなのでしょうか。本稿では、非居住の個人や法人の購入者がどのような人たちなのかをみていきます。

(編集部注/筆者は、千代田区など東京23区内と大阪都心部に立地する駅近のブランドマンション計709戸の全住戸について、登記簿情報を取得。新築引き渡し時と2025年12月の調査時点の所有者構成を比較し、その変化を整理した。調査対象はいずれも、良好な住環境を備え、子育て層に人気の小学校区にある、大手デベロッパーが手がけた物件)

 住宅価格が高騰するなかで、新築マンションをどのような法人が購入しているのかを探るため、法人による購入が全体の3割を超えていた千代田区のAマンション(編集部注/2025年新築時の販売価格:1億4000万円~13億円)と大阪市西区のCマンション(編集部注/2025年新築時の販売価格:8000万円台~1億1000万円台)の登記簿情報を分析しました。

 まず、新築マンションを購入した法人の所在地を確認したところ、千代田区のAマンションでは、東京23区内の法人が56%、1都3県(東京23区を除く)が12%で、首都圏の法人が全体の約7割を占めていました(図表1-3)。

図表1-3 購入した法人の所在地別の割合同書より転載 拡大画像表示