がんと診断された経験の有無別に見ると、がんと診断された経験がある人では、「苦痛が伴っても延命治療を希望する」が12.9%で、がんと診断されたことのない人の7.3%を上回っていました。ただし、「延命治療よりも緩和医療をより希望する」も72.6%と、診断されたことのない人の62.8%を上回っていました。さらに、がんと診断された経験がある人では「わからない」が3.2%と、診断されたことのない人の16.5%の5分の1以下でした。
要するに、延命治療を望むにしろ望まないにしろ、がんと診断されたことのある人は、終末期の医療に対してはっきりした希望を持っているということです。がんになったことで初めて、自分がどのような最期を望んでいるのかが、本当にわかるのかもしれません(図表7)。
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善かれと思った医師が陥る
「ひっぱり症候群」とは
緩和医療に関してはもう1つ問題があって、それが「ひっぱり症候群」です。これは柏木哲夫先生(編集部注/50年以上にわたってがん患者を看取ってきた日本のホスピス医の草分け。大阪大学名誉教授・ホスピス財団名誉顧問)の造語で、治療効果が得られるかもしれないと期待して、医師が最後まで患者に延命治療をしてしまうことを意味します。
その結果、患者も延命を期待して、死の受容や大切な人との別れなどができないまま亡くなっていくことになり、これが大きな問題だというのです。
近年、オプジーボに代表される免疫療法や、免疫療法にレーザー治療を組み合わせた光免疫療法など、新しい治療法が登場しました。それによって、治療困難ながんで緩和医療を視野に入れていた人や末期がんの人の余命が延びたり、場合によってはステージ4から寛解に至ったりする人もいます。







