あなたは野球のことだけ考えておいて、と。自分の気持ちに余裕がなくて、いろいろと過敏になっていたのだと思います。
あとから聞いた話ですが、私の友人たちの間では「まいか、大丈夫かな?」「何か私たちにできることはあるかな?」というような連絡が飛び交っていたそうです。あえて私には、「大変だったね」とか「頑張ったね」とは言わず、黙って見守ってくれた気遣いが、当時の私にとっては本当にありがたかったです。
幸せな新婚生活を襲った
突然のがん宣告
結婚生活が始まった2017年。もしかするとこの年には、もう病気が始まっていたのかもしれないということですが、全く思い当たるところがありません。結婚するまで、関東と関西に離れていたこともあり、一日中、ずっと一緒に過ごしたこともありませんでした。
よく寝るなと思ったことはあります。プロ野球選手というのは、肉体的にも精神的にも、こんなに毎日疲れて帰ってくるんだなというくらいの感覚でした。
病気になるまで、主人はあまり自分のことを口にするタイプではありませんでした。どちらかというと、いつも私がペラペラしゃべっているのを聞いてくれるような感じです。
2018年の3月に長女が生まれてからは、そのことで精一杯になり、主人のことを気にかける余裕がなかったというのが正直なところです。
体調がよくないという話も聞いた記憶がありません。便に血が混じっているということも聞いたような聞いていないような。私がだいたいのことを「まあ、大丈夫じゃん?」と言って済ませる性格なので、聞き流していたのかもしれません。
この年の年末年始に帰省したときも、本当に普段どおり過ごしていました。主人だけ、先に関西に戻るのも予定どおりでした。人間ドックがあってご飯が食べられないから、おかゆを持って帰ると言って、私の母が作ってくれました。
大腸内視鏡検査をすることも、「へえ~、何もなかったらいいね」くらいにしか思っていませんでした。
あの日、主人から電話がかかってきたときも、最初は、何を言っているんだろうと思いました。
「やばいかもしれない?」
「がん?」







