病理検査の結果を聞いて
夫婦は少しずつ強くなった

 手術後の病理検査の結果を聞いたときのこと。

「ステージ3b?」

「思っていたよりも進行していた?」

「そんなこと本当にあるんだ……」というのが、正直な気持ちでした。

 当時は、ステージ3の中に、種類があることすら知りません。

「ステージ3bということは、ほぼステージ4?」

「ドラマだったら、ダメなやつじゃないの?」と思ってしまう自分がいました。

 主人が「手術したから大丈夫だ」と言うので、私も大丈夫だと思い込むようにしていました。

 退院したあとは、主人のリハビリを兼ね、よく近くの川沿いを親子3人で歩きました。公衆トイレに何度も行く姿を見て、こんなにトイレが近くなってしまうんだと思いました。

 散歩といっても、たかだか数十分です。本人も不安があるのか、やっぱりさっきのトイレがあったところまで戻ろうかなどと言うこともありました。お出かけ先で、子どものトイレを心配するような感じです。そういえば、家のトイレットペーパーを柔らかいタイプのものに買い替えたことを思い出しました。

 体はだるそうにしていましたが、そのことでイライラして八つ当たりすることはなかったです。でも娘たちを叱ったりはしています。

『道なき道を』書影道なき道を』(原口文仁、集英社)

 娘たちと、「パパ怒ってるね」みたいな感じで、わかりやすいです。「そこまで言うと嫌われちゃうよ」と注意するときもありますね。娘ばかり3人。家族は私を入れて女4人と男1人なので、大きくなって結託されたら終わりですからね。

 そういえば、病気になってから、いい意味で、自分の感情を出すようになった気がします。以前は、どちらかというと何を考えているんだろうな……という事が多くて。私が言うことに、ただただ賛同してくれる優しい人だなという感じでした。長女が生まれた時期と、病気になった時期が重なるので、どちらが原因かはわかりませんが……。

 3人の子どもにも恵まれ、病気のこともあったので、私も少しはたくましくなったと思います。主人は、結婚したことを後悔していないでしょうか。もしかすると、結婚前と比べると豹変したなとは思われているかもしれませんね。