2019年に大腸がんを患いながら、わずか半年でプロ野球選手として復帰した元阪神タイガースの原口文仁氏。その陰で、妻の原口まいかさんは「再発するのではないか」という不安を抱え続けていた。夫が「ちょっと体調が悪い」と言うだけで心配になり、口内炎ができたと聞けば「がんの転移では」と考えてしまうこともあったという。妻が明かす、手術後も消えなかった恐怖の日々とは。※本稿は、元プロ野球選手の原口文仁『道なき道を』(集英社)の原口まいか寄稿部分を抜粋・編集したものです。
「ガンバレ」の「ガン」にも動揺
妻を苦しめた再発への不安
元阪神・原口文仁氏 撮影/岡田佳那子
夫の大腸がんの手術が終わったあとは、「もう大丈夫」と思って生きていこうと決めていました。普段は、病気だったことすら忘れています。ただ、何かのきっかけがあると、そうだ、まだ7年かと……。定期検診も、毎回ドキドキします。検査結果の連絡がくるのを、携帯電話を握りしめて待っているくらいで……。
ガンバレとカタカナで書いてあるだけなのに、ガンという文字だけが目につくこともありました。そういう類のドラマも見ないようにしていました。テレビでがん保険のコマーシャルが流れるのも嫌でした。
今までも風邪をひくことはあったのに、ちょっと体調が悪いと言われたら、「え?大丈夫?」口内炎ができたと聞いたら、「口に転移したんじゃないの?」と、すべて悪い方に考えてしまう時期もありました。
テレビで芸能人ががんになったというニュースが流れたときは、すぐにチャンネルを変えました。主人は気にしていなかったかもしれませんが、見せてはいけないような気がして。自分も見たくなかったのですが、何よりも主人にがんのことを考えさせたくなかったのです。







