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5万円を配るために、6753円の事務費がかかる――。コロナ禍以降、国はさまざまな給付金を支給してきたが、その一方で、実際の給付事務を担った自治体には大きな負担がのしかかっていた。元会計検査院長の田中弥生氏が、会計検査のデータをもとに、給付金を「配るコスト」の実態と、自治体の現場で何が起きていたのかを明らかにする。※本稿は、東京大学公共政策大学院客員教授の田中弥生『税金はどこへ行くのか 元会計検査院長が見た「日本の財政」』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
コロナ禍「10万円給付」の後も
9種類の給付金が続いた
「特別定額給付金」のことを覚えているだろうか。コロナ禍で国民全員に1人10万円ずつ配られた給付金である。予算は12兆8800億円だった。多くの方は、10万円給付の一度きりで給付金は終わったものだと思っているかもしれない。
だが、その後も続いており、令和2年から令和5年にかけて、9種類の給付金が支給条件を変えて実施されてきた(図表3-12)。
同書より転載 拡大画像表示
たとえば、子育て世帯向けの給付金は児童手当を受ける世帯を対象としており2回実施された。
最初は令和2年度「子育て世帯特別給付金」で、0歳から15歳の子どもを養育する世帯に対して給付金が配られた。2回目は「子育て世帯への臨時特別給付」として令和3年度に実施された。なお、2回目は、対象世帯を0歳から18歳の子どもを養育する世帯に広げているが、その後に実施された児童手当制度の大幅改正を念頭に置いたものだった。







