1件463円と6753円
給付の事務費に大差がつく理由

 では、給付金を配る作業にどの程度の費用がかかるのか。

 図表3-19は、給付金を配る際の「1件あたりの事務費」を算定したものだ。事務費とは、給付金事業を実施する費用として、国から自治体に配布された金額をさす。

図表3-19 1件あたりの事務費同書より転載 拡大画像表示

 まず、(1)「子育て世帯特別給付金」は463円と比較的安価に留まっている。その理由は、プッシュ型ができるからである。児童手当のデータと口座が結びついているので、この情報を用いてプッシュ型の送金ができたのだ。

 ところが、(4)「その他世帯給付金」は6753円もかかっている。この給付金額は5万円である。つまり、5万円を配るのに6753円の費用を要したということだ。

 なぜ、これだけの費用を要するのだろうか。おそらく、児童手当のようなデータセットがないために、自治体職員は、住民基本台帳から該当する世帯を抽出しなければならなかったのだろう。

データがつながっていないと
自治体の手作業が増えていく

 また、世帯ごとの所得の状況を調べるためには、住民税データとの突合が必要になる。2つのデータが紐づいていない場合には、1つひとつ突合する作業が発生する。該当する可能性のある世帯が明らかになると、次は申請勧奨の作業をすることになる。

「子育て世帯特別給付金」と「その他世帯給付金」の事務費の差と、その背景にある作業を考えると、デジタル化がいかに必要であるかが分かる。