また、次の図表3-20では、自治体による事務費の使途をみているが、分析を進めてゆく中で、自治体の規模によって傾向があることが分かってきた。

図表3-20 対象経費区分の事務費に係る人口規模別の3区分での状況同書より転載 拡大画像表示

 人口50万人以上の自治体の場合、事務費の86.1%が委託費である。ところが、人口10万人未満の場合、委託費が全体の47.3%で、外注の割合が人口50万人以上に比べ、大幅に少ないことが分かる。

 おそらく、人口が少ないために委託ができるような規模の仕事ではなかったか、あるいは仕事を委託できる事業者がいなかったからではないか。

 人口が少ない小規模な自治体の場合、役所の規模も小さい。そうした役所の状況を想像してみてほしい。通常業務も、少ない職員数で、多種類の業務をこなさなければならない。その上に、コロナ対策以降、数々の臨時業務が増えた。

 9種類の給付金も臨時業務である。おそらく、通常業務をこなしながら、分担をし、また残業をしながら何とか臨時業務をこなしていたのではないだろうか。

 北海道のある町の話では、人手が足りず、急遽、定年退職した職員たちにアルバイトで来てもらい、給付金事務をこなしたという。

給付金を配るたびに
自治体の負担は積み上がる

 私が提起したいのは自治体の負荷への配慮である。世帯や個人を対象にした給付金や補助金の場合、実際にその事務を担うのは市区町村などの自治体になる。事務作業に要するのは、国が自治体に払った事務費に加え、それに従事した職員の労働時間など時間コストもかかっている。

 デジタル化による行政業務の効率化は不可欠で、待ったなしの状況だろう。給付金の対象や条件が毎回のように変わっていることで、作業内容のみならず、自治体が保有するシステムの変更も求められた。自治体にとっては相当重い負担になっていた。国は、自治体のキャパシティを配慮した給付のあり方も検討する必要があるだろう。

 さらに申し上げれば、4兆円を超える給付の結果、世帯への支援効果や経済効果があったのかの検証も必要である。

 これらのことを踏まえ、継続の有無も含めた給付のあり方を検討すべきではないか。ましてや、どのような世帯に、何人にいくら配られたのかのデータをまとめ、公開することは政府としての基本的な責務であろう。