資源エネルギー庁は事務局の委託者について公募をかけ、応募2者から博報堂が採択された。

 委託契約に基づく事務費は約319億円であるが、ここでも多層に委託、再委託がされている。図表4-14をご覧いただきたい。

図表4-14 電気・ガス補助金の実施体制同書より転載 拡大画像表示

 博報堂から博報堂プロダクツはじめ複数の会社に合計227億円が委託され、委託費率は71.2%であった。博報堂プロダクツへの委託費は210億円である。

 さらに博報堂プロダクツからVD社(160億円)など複数の会社に再委託されており、総額は186億円で、再委託費率は81.7%であった。そして、VD社から、さらに再々委託がされている。

多重委託が「問題なし」と
判断されたのはなぜなのか

 ちなみに、ガソリン補助金の事務局は博報堂が担ったが、ここでも委託、再委託を実施し、同じ企業名が登場する。既視感のある委託の多重構造だ。ほぼ同じ時期に、ガソリンや電気・ガスの大規模補助金事業を担っていたことになる。

 国は委託契約についてガイドラインを設けている。委託費率が50%を超える場合には、理由書を提出させ、審査委員会による審議を経て、合理的な理由があると認められると委託契約を交わすことができる。

 会計検査院が理由書の内容を確認したところ、委託費率50%超の委託を必要とする理由が具体的に記されていなかった。また、資源エネルギー庁において委託及び再委託を問題ないと判断した経緯について記録が残されていなかった。

 メディアが記録が残っていない点について取材しているが、「そういう仕組みになっていない」という同庁の回答が報道され、役所が記録を残す仕組みがないということがあるのかと、驚いたことを覚えている。