倒産保険を大手電力会社に
かける必要があったのか

 次に電気・ガス補助金の事業費と事務費をみてゆく。図表4-15は公募時の補助金交付見込額と交付決定時の補助金交付見込額、及びその内訳を示したものだ。公募時よりも、交付決定時の事業費が1400億円ほど安くなっている。

図表4-15 公募時の補助金交付見込額と交付決定時の交付見込額同書より転載 拡大画像表示

 ところが、事務費は100億円ほど増えている。その内訳に注目すると「その他諸経費」が増加要因であることが分かる。「その他諸経費」の主な内容は、信用保証料である。補助金の交付先である小売事業者が、補助金を受け取った後に倒産した場合、事務局である博報堂が補助金を保証することになっていた。

 博報堂はこのリスクに備えるために保険を掛けたのだ。信用保証料とはそのための保険料で53億円であった。また、この53億円の8%(4億2400万円)が一般管理費に計上されていた。

 では、この信用保証料は適切であるのか。そこで会計検査院は月々の保険料の内訳を調べた。

 以下は、信用保証料の算定式である。

 信用保証料=保証希望額×保証料率×保証日数÷365日

 この保険は、交付した補助金額を保証するもので、その額は保証希望額に反映されるから、補助金額と保証希望額は同額でなければならない。

 そこで、会計検査院が、毎月の保証希望額と補助金交付額を比較したところ、保証希望額が補助金交付額を上回っている月が9カ月あった。つまり9カ月間、信用保証料を過大に払っていたことになる。

 博報堂にその理由を尋ねているが、補助金交付額が最大になった月から保証希望額を変更しなければならなかったのだが、忘れたためだとしている。