空車だからといって
「誰でも乗せる」わけではない

 先ほど「タクシーが正当な理由なく乗車を断ることは禁じられている」と述べたが、どのような客なら断ってよいのか。

 一例を挙げると、公序良俗に反する行為をしたにもかかわらず、乗務員の制止や指示に従わない者。また、泥酔していたり、不潔な服装をしていたりと、他の旅客の迷惑になる恐れのある者は、運送の引き受けを拒絶できる(※)。

※「旅客自動車運送事業運輸規則」という省令で定められている。

空車タクシーに「素通りされる人」と「一発で停まってもらえる人」の決定的な違い【現役ドライバーが明かす】
拡大画像表示 運転手が「乗車を拒絶」できるケース(出典:e-Gov 法令検索

 本来であれば空車のまま流したくはないのだが、重大なトラブルに発展するリスクを未然に防ぐために、こうしたケースでは乗車を見送ることがある。筆者だけでなく、他のドライバーも同じだ。

 これは意地悪でも何でもなく、法律の範囲内で、ドライバーとして合理的な判断を下しているだけだ。

乗客はどうすれば
タクシーに乗りやすくなるのか?

 では、乗客はどうすればタクシーに乗りやすくなるのか。

 今までの話を総括すると、押さえておくべきポイントは3つだ。

 1つ目は、手を挙げる場所を選ぶことだ。

 具体的には、交差点のど真ん中や横断歩道のすぐ近くではなく、少し手前(駐停車禁止区域の範囲外)の、車を寄せやすい直線区間で待つのがおススメだ。

 運転手が「ここなら合法かつ安全に寄せられる」と一瞬で判断できる場所であればあるほど、タクシーを停めてもらいやすくなる。

 一方、車の流れが速い場所や、見通しの悪いカーブの手前は、大きく手を振っても気付かれにくく、結果的に素通りされやすい。

 2つ目は、繁華街では素直にタクシー乗り場を使うことだ。

 銀座や北新地のように乗車制限のある街で、夜遅くにタクシーを拾う場合は、あらかじめ乗り場の場所を調べておこう。それだけで、路上で何度もスルーされる事態を避けられる。

 地図アプリで「タクシー乗り場」と検索するだけでも、仕事の飲み会や接待などから帰宅する際、無駄な時間をかなり減らせるはずだ。