タクシーを強引に停めようとすると
逆に敬遠される!?

 3つ目は、周囲への迷惑を顧みず、タクシーを強引に停めようとしないことだ。

 先述の通り、タクシー運転手は、乗客とのトラブルを避けるため、乗車の可否を慎重に判断することがある。

 そのため、周囲への迷惑を気にせず車道に大きく足を踏み入れたり、泥酔した状態で無理に手を振ったりする人は、ドライバーに「この人を乗せるとトラブルになるかも……」という警戒心を抱かせる可能性がある。

 だからこそ、歩道の内側から、他の交通の迷惑にならない範囲で、はっきりと手を挙げることを勧めたい。それだけで、「乗せて大丈夫かな?」というドライバー側の不安を払拭しやすくなるからだ。

 だが、「そんなことに気を遣うくらいなら、最初から配車アプリを使いたい」と考える人もいるだろう。

 配車アプリが普及したことで、路上で手を挙げる機会そのものが減ったのは事実だ。到着時間も事前に分かるし、乗車禁止エリアのような制約が、あらかじめアプリの仕様に反映されている場合もある。

 しかし、配車アプリには、配車アプリならではの「乗せてもらいにくさ」がある。

 雨の日の繁華街や終電間際の駅前など、需要が一気に跳ね上がるタイミングでは、配車依頼を出しても近くに空車がまったく見つからず、何分も待たされることがある。ドライバー側から見ても、そういう時間帯はアプリの通知が鳴りっぱなしだ。

 配車アプリで指定された乗車地点が、ビルの裏口や細い路地の奥だったりすると、そこに車を寄せること自体が難しく、結局は少し離れた場所まで客に歩いてもらうこともある。

 乗客は「わざわざ配車料金を払って呼んだのに、なぜ近くまで来てくれないのか」と不満に思うかもしれないが、これは車が安全に停まれる場所かどうかを最優先に考えた結果である。地図アプリ上のピンと、実際に車が入れる道とは、必ずしも一致しない。

 アプリであっても“流し”であっても、ドライバーが乗客を拾う際に重視しているのは「安全かつ合法に車を停められるか」という点に尽きる。

 タクシーは、手を挙げれば必ず停まる乗り物ではなく、停まれる条件がそろった時に停まる乗り物なのである。

 もし今後、タクシーにスルーされたら、腹を立てる前に、自分の立っている場所や手を挙げたタイミングを冷静に振り返ってみてほしい。案外、答えはそこにある。