下水道展会場の様子(筆者撮影)
8月6日、筆者は東京ビッグサイトで開催された企業展示会「下水道展」の会場にいた。一見すると鉄道とは何の関係もなさそうな展示会に、JR西日本グループが出展していると聞いたからだ。筆者は2023年4月、JR西日本グループ会社の後藤工業(2025年4月1日付で「JR西日本後藤テック」に改称)が運転維持管理業務を受託する鳥取県米子市の内浜処理場を取材した。インフラ管理への初進出から3年が経ち、新たな取り組みが進んでいるようだ。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
鉄道会社が下水道へ進出
米子で始まった「インフラ管理」の現在地
JR西日本後藤テックの「その後」から見ていこう。同社は米子市を拠点に、鉄道車両の日常的な検査・修繕から車両新造・改造まで、山陰地方の車両関係業務を幅広く手掛けるJR西日本のグループ会社である。
米子市の公共下水道設備は多くが供用開始から50年以上が経過し、老朽化による不具合の多発や、災害対策への投資不足が問題となっていた。そこで米子市は民間のノウハウや業務効率化を目的とした包括的民間委託を導入し、2022年に募集を開始した。
内浜処理場(2023年筆者撮影)
JR西日本後藤テックは下水処理装置大手のクボタ環境エンジニアリング、ポンプなどの機器を手掛ける東芝インフラシステムズと共同事業体を構成。同社はそれまで実務を担っていた米子市生活環境公社の社員42人を受け入れ、現場の維持運営業務を担当する体制とした。
第1期委託契約は2023年度から2025年度までの3年間。全体を取り仕切る代表企業はクボタ環境エンジニアリングだったが、今年度から始まった第2期委託契約はJR西日本後藤テックが代表企業となり、契約を更新した。代表企業になったことで、決算業務から米子市との調整まで、いわゆる「本社業務」全般を担うことになったという。
業務が全体管理のステップに進んだことで、考えるべきことが増えた。「例えば大量の薬品を使えば水質を良くできるが、費用対効果を考えればそうはいかないので、コストを低減しつつ安定した水質を管理する方法を勉強している」と担当者は語った。
また、大雨の後は処理場のバクテリアが流され、水質が変化してしまう。しかし、その対応ノウハウが担当者によって異なる部分が多く、データ化して引き継ぐ必要を痛感しているそうだ。未だにFAXで異常を知らせる体制が残っており、こうした部分も今後、米子市に改善を提案し、次につながる信頼を得たいと述べた。







