モーター再生技術を下水道ポンプに
「修繕」で老朽インフラを延命
もうひとつ、今回の展示で紹介された下水関係の取り組みが、同じくグループ会社の富士電機製作所だ。同社は電車用モーターのメンテナンスを専門とする事業者で、JR西日本以外にも全国の鉄道事業者のさまざまなモーターの修繕を請け負っている。
下水道ポンプモーターの修繕(富士電機製作所提供)
モーターも長年使うと内燃機関のオーバーホールのような作業が必要になる。ご存じのように、モーターは銅線を巻いたコイルに電気を流して回転させているが、銅線がショートしないように絶縁の樹脂で固めてある。樹脂はモーターの放熱で劣化し、絶縁性能が低下するため、ある程度の期間使用したら銅線を一度コイルから外し、樹脂を浸透させてから巻き直すことで性能を回復させるのである。
モーターの再生技術を持ち、事業として展開する会社は多くない。しかし、JR西日本後藤テックの項でも見たように、車両の省メンテナンス性が進み業務は縮小する。これを他の分野で生かせないかと検討を重ねた結果、マンホール下の水中に設置される下水道ポンプの修繕に行き着いたという。
ポンプはひとつのマンホールの下に2台あり、1台壊れてももう1台で冗長性を持たせるようになっている。マンホールは全国で5万個ほどあるので、ポンプは倍の10万基あるという。
国土交通省はポンプを10年程度で更新するよう推奨しているが、予算の制約から実際に10年間隔で取り換えるのは困難であり、実際には20~30年、壊れるまで使用し続けるのが実情という。一方、修繕は新品の半分程度のコストで機能を回復できるため、1台の更新費用で2台の修繕が可能になる。







