私の人生を変えた
寿司屋での「厳しいひと言」
当時、私が責任者として立ち上げた家庭教師事業で、私の管理不足からクレームが起きていました。ある日、上司から「橋本くん、ちょっと寿司でも食べに行こう」と声がかかります。連れていかれたのは、六本木のお寿司屋さん。
席に着くなり、上司は私の目をじっと見て、開口一番こう切り出しました。
「橋本君、いいですか。私は一生涯、君と共に生きていくと決めています。だから、言います。家庭教師事業を閉鎖します。あなたは部署異動となります。これは決定事項です」
「今の事業は、先生の遅刻や一方的なキャンセルが起きており、保護者からのクレームが数件発生しましたね。それは責任者である橋本くんの基準の甘さ、ルーズさが原因です。だから今回、事業閉鎖を意思決定しました」
「君が子ども教育をやりたいと思って入社したことは知っています。だからこそ伝えますよ。20代は、やりたいことよりも成長を優先しなさい。本当にやりたいことをやるためには、まず自分自身の基準を引き上げなさい。新しい環境で基礎からやり直し仕事で結果を出してください」
目の前でとても厳しい言葉を告げられました。ショックでお寿司の味なんて覚えていません。
でも、不思議なことに、私はその言葉をすっと受け取ることができたのです。
その言葉の奥に、上司の本気の覚悟と信頼が、ありありと感じられたからです。
もしあのとき上司が私に気を遣って「そんなに気にしなくていいからね」みたいな伝え方をしていたら、どうだったでしょうか。きっと私は、自分の至らなさに気づけず、その後に這い上がる力もないまま、流されていたと思います。あの厳しさは、深い優しさだったのです。







