おすすめの美術館の周り方

――素敵ですね。では、紙と鉛筆を持って、どう美術館をまわればいいのでしょうか。

末永:美術館に入ったら、まず入り口から出口まで、普通のお客さんのように解説を見ながら全ての作品を見てみてください。

そして、全体を眺める中で、気になった絵を1枚、直感で決めるんです

次に、その1枚の前にたち、徹底的に鑑賞してみてください。

本書『感性の教室』でも詳しく紹介しているのですが、まずは絵に対して「ここがヘンだな」「なんでこんな描き方をしてるの?」とひと言ツッコミを入れてみることから始めます。

例えば、今度のフェルメール展の目玉である《真珠の耳飾りの少女》であれば、「背景が真っ暗すぎて怖い」といった、他人の評価を無視したピュアな「主観」のツッコミでかまいません。

ツッコミを入れたら、次は「そこからどう思う?」と「どこからそう思う?」という2つの問いかけを使って、自分の発見を深掘りし、紙にどんどん鉛筆で書き出していきます。

「唇が少し開いて、かすかに光っている」⇒(そこからどう思う?)⇒「ふと名前を呼ばれて振り返り、何かを言いかけようとした一瞬の吐息が漏れているみたい」。

こうして20個、30個とアウトプットを出し切ってみると、その作品を自分が描いたような気持ちになるのです。

自分の五感と鉛筆だけを頼りに名画と一対一で対話し尽くしたからこそ、その絵は「自分だけの特別な作品」へと変貌を遂げるです。