米国とカナダの通商担当者による数週間に及ぶマラソン交渉の末、合意はほぼ視野に入っていた。カナダ製品に対する米国の新たな制裁関税の発効まで2時間を切った18日遅く、ドナルド・トランプ米大統領はソーシャルメディアで「合意」を発表し、詳細を詰めるため3日間の期限延長を発表した。カナダのマーク・カーニー首相は、交渉担当者らが「大きな進展」を遂げたと述べた。カナダのドミニク・ルブラン対米貿易担当相 と米通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表は翌日、グリア氏のオフィスの外で満面の笑みを浮かべて並び立ち、記者団に対しては、二国間関係における複数の懸案事項は解決し、合意は近いと語った。しかし21日遅く、土壇場で交渉は決裂した。これにより米加関係は急速に悪化し、年間約9000億ドル(約143兆円)規模の貿易関係を持つ隣国同士の対立が全面的な貿易戦争に発展する恐れが高まったほか、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の先行きに関する疑問も改めて浮上した。