人生は一度きり。そんな当たり前のことを、本当の意味で理解するのは意外と難しい。仕事や家庭に追われるうちに、気づけば何年、何十年もの時間が過ぎていた――という人も少なくないだろう。世界のさまざまな人に「生きる意味」を尋ねた書籍『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』(ジェームズ・ベイリー著)から、老後に「人生をやり直したい」と悔やまないために、いま知っておきたいことを紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

老後「人生を無駄にした…」と激しく後悔する人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

目の前のごたごたに埋没してしまう

 老後に「人生をやり直したい」と深く悔やむ人がいる。その大きな原因は、日々の忙しさに追われ、「いま」を大切にせずに生きてきたことだ。

 目の前の雑務や仕事に追われ、ただ時間を消費していると、人生の終盤に猛烈な虚しさが襲いかかる。世界のありとあらゆる背景を持つ人に生きる意味を尋ねた書籍『人生の意味』の中で、ある先達は、日常に埋没する危うさをこう警告している。

 生活に追われていると、大切なことを忘れてしまいがちです。
 めまぐるしい仕事や家庭生活のごたごたのせいで、大事なものを見失ってしまうことがあります。
 それでも立ち止まって、自分を振り返らなくてはなりません。
 人生はたった一度きりだと頭ではわかっていても、悲しいことに、人生を失いそうになるまで、本当にはそれを理解できないのです。――『人生の意味』より

「生きている」と感じているか?

 私たちが本当に求めているのは、「人生の意味」という観念的な答えではなく、心と体で感じる「生きている」という実感なのではないだろうか。神話学者ジョーゼフ・キャンベルの言葉は、その本質を突いている。

「人々が生きる意味を見つけたいと言うとき、本当に求めているのは『いまを生きている』と感じられる深い経験なのだ」
 これは37年前に神話学者のジョーゼフ・キャンベルが、私を含む20人に語ってくれた言葉ですが、いまも忘れることができません。――同書より

 人生を後悔する人は、この「いまを生きる深い経験」を後回しにし続けてきたのだ。別の先達は、進むべき指針をこう語る。

 では、人生の充足と安らぎはどこにあるのでしょう?
 私にとっては、自分の才能をできる限り生かし、自分がなり得る最高の存在になり、人生という旅を楽しみ、人や自然とつながることにあります。――同書より

 人生の最後に「やり直したい」と願っても、時間を巻き戻すことはできない。だからこそ、いま立ち止まり、人や自然とのつながり、この世界に生きている実感を存分に味わうことが大切だ。人生をやり直せるのは、いつだって「いま」だけなのだ。